プロデン プラークオフを調べていて、まず引っかかったのが値段のばらつきでした。同じ40gなのに1,980円の店もあれば3,300円の店もある。偽物を疑いたくなる差ですが、調べてみたら理由ははっきりしていて、日本には同じスウェーデンの会社の製品が、別々の会社から別々の名前で入ってきているからでした。
しかも国内の正規流通での名前は「プラークオフ」ではありません。ここでは、その3ルートの見分け方と、中身が海藻1種だけという製品がどう働くのか、そして楽天に付いた344件を全部読んで数えた結果を書きます。うちのパフィ(ポメプー・メス・2歳・5.12kg)は毎日歯を磨いていて口のトラブルが出ていないので、磨けない日をどう埋めるかという目線で見ています。
プロデンのプラークオフは、磨かずに食事から足すデンタルケアです

プロデン プラークオフは、フードにかけて食べさせるタイプの犬用デンタルケア製品です。付属のスプーンでいつものごはんに1日1回かける、やることはそれだけ。歯ブラシを口に入れさせてくれない子でも成立するのが最大の特徴です。
作っているのはスウェーデンのスウェーデンケア社。歯みがきガムや飲み水に入れるタイプとは違って、噛む力も、口を触らせる我慢も要りません。噛む力が落ちてきたシニア犬でも同じように使えます。
うちは歯ブラシと指サックブラシで毎日磨いているので、この粉がなくても今のところ回っています。ただ、家族が出払っていて僕ひとりの夜とか、正直「今日はもういいか」と思う日はあるんですよね。磨けない日をゼロにするより、磨けない日の下支えを別に持っておくという考え方は現実的だと思っています。
中身は北大西洋の海藻1種だけです
原材料表がとにかく短いです。日本全薬工業が輸入しているものの表記は「天然の海藻(Ascophyllum nodosum)を100%使用」の一行だけ。他には何も入っていません。
アスコフィラムノドサムは、北大西洋の水温が低い海に生えるヒバマタ科の海藻です。日本でいう昆布やヒジキの仲間だと思ってもらえば近い。実際、レビューには「とろろ昆布のような香り」という感想がいくつも出てきます。味見をした飼い主の書き込みもあって、ほとんど味はしないけれど磯の香りがする、という評価でした。
日本第4648611号の特許を取得した成分でもあります。ただしこの特許はすでに存続期間が満了していて、レティシアンの公式サイトにもその旨が明記されています。「特許成分」という言葉だけが独り歩きしがちですが、いま効いているのは特許ではなく、あとで触れる第三者機関の認証のほうです。
犬用と猫用で原材料が違います
ここは買い間違えやすいので先に書いておきます。ライトハウスが扱っている犬用と猫用では、原材料が違います。
| 原材料 | |
|---|---|
| 犬用 | 海藻(アスコフィラムノドサム) |
| 猫用 | 海藻(アスコフィラムノドサム)、出芽酵母(サッカロマイセス・セレビシエ) |
猫用にだけ出芽酵母が足されています。同じ棚に似たパッケージで並ぶので、犬に買うなら犬用の表示を確認してください。なお日本全薬工業が入れているものは「犬猫用」の1種類で、こちらは海藻100%です。
歯石を削り落とす製品ではありません

ここを取り違えると、続けても「効かない」という結論になります。この粉は歯にこすりつけて汚れを落とす製品ではありません。 食べたものが体を通り、唾液を介して口の中に働きかけるという設計です。
だから、すでにガッチリ固まっている歯石が粉で外れることはありません。楽天のレビューにも、そのままの言葉が残っていました。
ずっと使っていますが、ガッチリ着いた歯石はやはり取れませんでした!結局、全身麻酔で除去しました
固まったものを外せるのは動物病院の処置だけ、というのは歯みがきガムでもジェルでも同じです。この粉が引き受けるのは、これから付くぶんへの手当て。いま付いているものの片付けではありません。歯石がもう見えている子は、先に受診してから、そのあとの維持に使うのが本来の順番です。歯磨きそのものの進め方は犬の歯磨きを嫌がるときの慣らし方にまとめています。
VOHCの一覧で、食事にかける粉としては珍しい位置にいます
米国獣医口腔衛生協議会(VOHC)という団体があります。犬猫用の口腔ケア製品を審査して、あらかじめ決めた基準を満たしたものに認証マークを出しているところです。ここが公開している犬用の認証製品一覧(2025年11月版)を落として、自分で数えてみました。
「飲み水に入れるもの・ジェル・スプレー・歯みがき粉・食事にかける粉」がまとめられた区分には22製品が載っています。そのうち歯垢と歯石の両方で認証を受けているのは、2製品だけでした。
| 認証の内容 | 製品数 |
|---|---|
| 歯垢と歯石の両方 | 2 |
| どちらか一方だけ | 20 |
残り20製品は歯垢だけ、または歯石だけです。そして両方が付いた2製品は、どちらもこのアスコフィラムノドサムの製品でした。一般向けの ProDen PlaqueOff Powder(2019年)と、動物病院向けに出ている CEVA Clenz-A-Dent ProDen PlaqueOff powder(2020年)です。
飲み水に入れるタイプが十数製品ひしめいているのに対して、食事にかける粉の枠にはほとんど競合がいない、というのがこの一覧から読み取れることでした。デンタルケア用品を粉で探している人が、結局この製品にたどり着くのはそういう事情だと思います。
日本では名前の違う3ルートで売られています
冒頭の値段のばらつきの正体がこれです。同じスウェーデンケア社の製品が、日本では別々の会社から別々の名前で入ってきています。
| 日本全薬工業版 | ライトハウス版 | 個人輸入 | |
|---|---|---|---|
| 商品名 | プロデン デンタルケア 犬猫用 | プロデン デンタルケアパウダー 犬用/猫用 | プロデン プラークオフ |
| 原材料 | 海藻100% | 犬用は海藻のみ、猫用は出芽酵母入り | 海藻100% |
| 原産国 | スウェーデン | アイルランド | 店による |
| 40gの価格 | 1,980円 | 2,750〜3,300円 | 店による |
| 10kg以下の1日量 | スプーン1/2〜1杯 | スプーン1杯 | 店による |
| 主な流通 | 動物病院ルート | ペットショップ・通販 | 個人輸入代行 |
海外での商品名が ProDen PlaqueOff なので、日本語で探すときも「プラークオフ」で検索する人が多いのですが、国内の正規流通での名前は「プロデン デンタルケア」です。この名前のズレを知らないまま探すと、検索結果に個人輸入代行の店ばかりが並んで、いちばん安くてレビューも厚い正規ルートに行き着かないまま終わります。
僕が調べたなかでいちばん条件が良かったのは、動物病院ルートで流れている日本全薬工業版でした。40gで1,980円、これは同じ内容量のライトハウス版より1,300円ほど安い。

10kg以下の子なら1日スプーン1/2〜1杯、原材料は海藻100%です。詳しい保証成分と注意書きはプロデン デンタルケア 犬猫用40gの商品ページにまとめました。
1日の量は体重で決まり、40gで4か月以上もちます

付属の専用スプーンで量って、1日1回ごはんに混ぜます。
| 体重 | 1日の量(付属スプーン) |
|---|---|
| 10kg以下の小型犬・猫 | 1/2〜1杯 |
| 10〜25kgの中型犬 | 1〜2杯 |
| 25kg以上の大型犬 | 2〜3杯 |
同じ製品のライトハウス版は「40gで付属スプーン約120杯分」と表記しています。パフィくらいの5kg級なら1日1/2〜1杯なので、1本で4か月から8か月。1日あたりにすると10円を切る日もある計算です。デンタルガムを毎日1本足している家と比べると、月の出費が桁でひとつ違います。
変化がわかるまでは3〜8週間かかります
即効性はありません。販売各社の使用案内では3〜8週間を見てほしいとされていて、2か月続けて変化がなければ量を増やす、という書き方をしている店もありました。
ここで効いてくるのが、さっきの「1本で4か月以上」という持ちのよさです。判定に必要な期間を1本で丸ごとまたげるので、まず1本使い切ってから続けるかを決められます。途中で買い足す判断を迫られないのは、地味ですが助かるところだと思います。
楽天の344件を全部読んで数えました
日本全薬工業版に付いているレビューを、1件ずつ全部読んで分類しました。344件で平均4.44、内訳は★5が196件、★4が110件、★3が33件、★2が5件、★1は0件です。2015年から2026年まで、11年ぶん途切れずに声が付いています。
数えていていちばん意外だったのが、動物病院の話がやたら出てくることでした。
| 言及の内容 | 件数 |
|---|---|
| 獣医・動物病院・かかりつけに触れている | 79 |
| そのうち「勧められた」「紹介された」 | 46 |
| 「病院で買うより安い」という趣旨 | 32 |
| 口臭に触れている | 106 |
| 歯石に触れている | 64 |
| リピート購入に触れている | 95 |
ペットショップの棚で見つけて買った人より、診察室で名前を聞いてから探しに来た人のほうが目立ちます。歯石の除去処置を受けたあと、その維持のために勧められたという書き込みもいくつもありました。344件のうち95件がリピートに触れているのも、この手の商品では珍しいと思います。
低い評価に付いていた不満は3つでした
★2と★3の38件も全部読みました。不満はきれいに3つに固まります。
- においを嫌がって食べない。「食べない・避ける」に触れたものが30件、昆布のにおいに触れたものが13件ありました
- 量が多いとお腹にくる。吐く・下痢・軟便に触れたものが5件。「最初は多すぎた様で下痢気味になってしまいました」という書き込みが複数あります
- 効いているのかわからない。★3のほとんどがこれです
1つめは、ドライフードにパラパラかけると避けられやすく、ウェットやチュールに混ぜ込むと通った、という書き込みが目立ちました。2つめは規定量の下限から始めて数日かけて増やすのが安全です。10kg以下なら1/2杯からで足ります。
そのほか少数派として、容器が使いにくいという声が1件、粉が口のまわりに付くという声がありました。毛の長い子は拭いてあげるひと手間が要りそうです。
甲状腺の病気と妊娠中は与えられません

海藻が原料なのでヨウ素を含みます。そのため、ホルモンの病気がある子と妊娠中の子は対象外です。日本全薬工業の表記は「猫のホルモンの病気、妊娠時(犬・猫共通)の場合はご使用をお控えください」、ライトハウスの表記は「甲状腺疾患の場合と妊娠時は、ご使用をお控えください」となっています。
普通のフードやおやつにはまず付かない但し書きです。甲状腺の数値を指摘されたことがある子や、持病で薬を飲んでいる子は、買う前にかかりつけの獣医さんに原材料を見せて相談してください。★2のなかにも「うちのわんこはホルモンの病気もあるのか、体調不良になったので使用やめました」という書き込みがありました。
もうひとつ、見落としやすい注意があります。プロデンの製品どうしを重ねて使うときは、1日の合計量に気をつけるようメーカー自身が書いています。同じ海藻成分を配合したフードに切り替えたうえで、この粉も足す。この使い方は想定されていません。次の話につながります。
ヨウ素は海藻ならどれも同じ量が入っているわけではなく、種類で桁がちがいます。この粉を使いながら食事にも海藻を足していいのか迷ったときは、犬に海藻は食べていいのか、食材ごとのヨウ素量を見てください。5kgの犬の1日の上限と、昆布・わかめ・のりでそこに届く量を並べています。
同じ海藻成分でも、粉で足す道とフードごと替える道がある
同じ海藻成分は、粉で足す道とフードごと替える道の2つがあります。そこにガム・飲み水・歯ブラシを並べて、1日あたりの負担で比べてみました。5kg級の小型犬を想定した換算です。
| 商品 | 種類 | 価格(税込) | 1日あたり | VOHCの一覧 | ショップ |
|---|---|---|---|---|---|
| プロデン デンタルケア 犬猫用40g | 粉 | 1,980円 | 約8〜17円 | 掲載あり | |
| KPS マウスクリーナー | 飲み水 | 2,480円 | 約50円 | なし | |
| グリニーズ プラス 超小型犬用 | ガム | 2,119円 | 約71円 | 掲載あり | |
| Dr.YUJIRO デンタルパウダー朝用 | 粉 | 6,292円 | 約70円 | なし | |
| 毎日口健 | 粉 | 2,827円 | 約94〜141円 | なし | |
| このこのふりかけ | 粉 | 3,850円 | 約128円 | なし | |
| カナガンデンタルドッグフード | フード | 6,358円 | 約254円 | 同名の製品が掲載 |
粉のなかで見ると、プロデンが群を抜いて安いです。他の粉が1日70円から130円のところ、10円前後。海藻1種しか入っていないぶん原価が違うのだと思いますが、それにしても差が大きい。粉だけを8点並べた比較は犬のデンタルケアふりかけ8点との比較にあります。
同じ成分をフードで摂るなら
海藻成分プロデンを配合したドッグフードもあります。歯ブラシを嫌がるうえに粉も避ける子だと、フード側に寄せるのが最後の手になります。ただしフード側は選べる数が限られていて、フード側の選択肢を3本並べて比べた記事で数えたとおり日本で買えるのは3本だけです。
カナガンデンタルドッグフード2kg

ターキー生肉33%を主役にしたグレインフリーのドライで、海藻加工品のほか、関節を支える成分も入っています。2kgで6,358円、5kg級なら1日80g前後なので1袋で25日ほど。
ひとつ補足しておくと、VOHCの一覧には Canagan Dental for Dogs という同じ名前の製品が載っています(デンタルダイエット区分・2020年)。ただし日本語の公式サイトはVOHCに触れていないので、この認証を選ぶ根拠にするなら粉のほうが確実です。原材料と給与量はカナガンデンタルドッグフードの商品ページに公式表記のまま載せました。グレインフリーそのものの考え方はグレインフリードッグフードの選び方を参照してください。
そして繰り返しになりますが、このフードとプロデンの粉を同時に使うのはメーカーの想定外です。どちらかにしてください。
海藻のにおいで食べない子には
昆布の香りで止まる子は一定数います。同じ粉でも風味の作りが違うものを試すほうが早いです。
このこのふりかけ(お口げんき)

1.5g×30包の個包装で、1日1包を目安にかけるタイプ。国産で、パウダーの量を量る手間がありません。1包あたりに換算すると約128円と高めですが、開けて振るだけという手軽さは続けやすさに直結します。
Dr.YUJIRO デンタルパウダー(朝用)35g

海藻ではなく乳酸菌(HATA乳酸菌)を軸にした粉です。サイリウムハスクやイソマルトオリゴ糖も入っていて、口の中と腸の両方に目を向けた設計。海藻の香りが合わなかった子の乗り換え先としてはこちらが候補になります。うちも「気になる前のケア」として朝用の単体から試そうと考えているところです。
毎日口健(犬猫兼用)

ラクトフェリンと乳酸菌KT-11を組み合わせたミルク味の粉です。ミルクの風味なので、磯の香りを嫌がる子でも通りやすい。粉のタイプをもう少し広く見比べたいときは犬の口臭サプリの選び方に口の中型と体の中型の分け方をまとめてあります。
噛める子はガム、水から入るなら飲み水タイプ
粉が続かない場合の受け皿です。噛む力があるうちはガムのほうが物理的に働くぶん確実です。同じプロデンには、噛む粒タイプのデンタルバイツもあります。ガム全体がどこまで効くのかはプロデン デンタルバイツを含むデンタルガムの効果の話に書きました。
グリニーズプラス(超小型犬用)

VOHCの一覧に載っている歯みがき専用ガムで、メーカーはVOHCと日本の試験の両方で認定を受けた国内唯一の犬用歯みがきガムだと説明しています。1本あたり約71円。ただし丸呑みすると意味がないので、体重に合ったサイズを選んでください。
KPS マウスクリーナー 237ml

飲み水に混ぜるタイプ。1日あたり約50円で、口を触らせてくれない子でも成立します。ただし水の味が変わるのを嫌がって飲水量が落ちる子がいるので、最初の数日は飲んだ量を見てあげてください。
磨けるなら、磨くのがいちばん確実です
最後にこれを置いておきます。粉もガムも飲み水も、歯ブラシの代わりではありません。 磨ける子なら磨くのが確実で、粉はその土台を支えるほうに回ります。
犬用デンタルペレッティーの指サックブラシ

うちが毎日使っているものです。シリコン製で指にはめて使うタイプで、歯ブラシの形に怯える子でも受け入れやすい。パフィは子犬のころから口を触られ慣れているので、これで奥歯まで一気に済ませています。
ビルバック C.E.T. 酵素入り歯みがきペースト70g

チキン・モルト・シーフードから風味を選べる歯みがきペーストです。すすぎが要らないので、水で口をゆすげない犬に向いています。歯ブラシに慣らす段階では、まずこれを舐めさせるところから始めると進みやすいです。
規定量の半分から、チュールに混ぜて始める

うちのパフィはカリカリを食べない筋金入りの偏食犬ですが、粉薬も錠剤もチュールに混ぜれば平気で食べます。この手はそのまま粉のデンタルケアにも使えるはずだと踏んでいます。レビューでも同じことを書いている人が複数いました。
僕がやるとしたらこの順番です。
- 規定量の半分より少ないところから始めて、いつものごはんかチュールに混ぜる
- 食いつきと、翌日以降のうんちの状態を確認する
- 問題がなければ数日から2週間かけて規定量まで増やす
ドライフードにそのまま振ると、お皿の底に粉が残って避けられやすいです。ウェットやチュールに練り込んでしまうほうが確実。ただし混ぜすぎると気づく子もいるらしく、この辺は個体差としか言えません。
急に強い腐敗臭がする、歯茎が赤い、口を触ると痛がる。こういうときは粉を足す前に受診が先です。判断の目安は犬の口臭対策と原因の見分け方にまとめています。
歯石が見えているなら、粉より先に動物病院へ行く
整理すると、こうなります。
- 歯石がもう見えている → まず動物病院。粉は処置のあとの維持に回す
- 歯ブラシが無理で、粉なら食べそう → プロデンのデンタルケアを1本。判定は3〜8週間、1本で足りる
- 磯の香りで食べない → 乳酸菌系やミルク味の粉に乗り換える
- 粉も無理で噛める → ガム。噛む力が落ちていれば飲み水タイプ
- 甲状腺の病気か妊娠中 → 海藻由来のものは対象外。獣医さんに相談して別の道を選ぶ
そして磨けるなら磨く。これはどの選択肢とも並び立ちます。うちは指サックブラシで毎日3分、そこに何かを足すならまず粉から、という順番で考えています。






