うちが長く使っていたプッチーヌが終売になって、代わりの半生フードを買ったときのことです。棚の前で袋をひっくり返して、裏面の小さな文字を探しました。「総合栄養食」の5文字がどこにあるのかを、そのとき初めて確かめたんです。
それまでは名前と粒の大きさしか見ていませんでした。パフィがカリカリを食べない子なので、頭の中は「食べてくれるかどうか」だけ。
ドッグフードには目的の区分があって、袋のどこかに必ず書いてあります。一般食は、総合栄養食に足して使うことを前提にしたフードです。ここを知らずに一般食だけを毎日あげ続けると、想定と違う使い方になります。区分の見分け方と、うちが実際にやっている足し方まで書きました。
ドッグフードの一般食とは、主食に足して使うフードのことです
ドッグフードの一般食とは、総合栄養食だけでは足りない栄養を補ったり、食いつきを上げたりするために足して使うフードです。ペットフードの表示区分では「その他の目的食」に分類され、袋には一般食、副食、おかずタイプなどと書かれます。それ1つで毎日の食事をまかなう設計にはなっていません。
日本のペットフードは、ペットフード公正取引協議会の公正競争規約で、目的を次の4つのどれかに表示することが決まっています。
| 区分 | 意味 | 与え方 |
|---|---|---|
| 総合栄養食 | そのフードと水だけで、指定の成長段階の健康を維持できる | 毎日の主食にできる |
| 間食 | おやつ、しつけのごほうび | 1日の給与限度量の範囲で |
| 療法食 | 病気の治療を栄養面から補助する | 獣医師の指導のもとで |
| その他の目的食 | 栄養の調整、カロリーの補給、嗜好増進など。一般食はここ | 総合栄養食と組み合わせる |
出典はペットフード公正取引協議会の必要表示事項です。
「おかずタイプ」という言い方は規約の中の表示例として実際に出てきます。ごはん(総合栄養食)におかず(一般食)を添える、という並びだと思うと分かりやすいです。逆に言えば、おかずだけを毎日食べさせる状態にはしない、ということでもあります。
この4つは「目的」の区分で、成長段階の区分とは別ものです。総合栄養食の袋には目的の隣に幼犬用・成犬用・オールステージなどが併記されていて、そちらは規約の別の条文で決まっています。ドッグフードのオールステージとは何かをまとめた記事に、成長段階の欄の読み方を書きました。
総合栄養食との違いは、そのフードと水だけで足りるかどうかです
総合栄養食と一般食の違いは、栄養の質ではなく、証明を取っているかどうかです。総合栄養食は「そのフードと水だけで指定の成長段階の健康を維持できる」ことを分析試験か給与試験で証明し、協議会へ届け出たものだけが名乗れます。一般食にはその証明がありません。
| 総合栄養食 | 一般食(その他の目的食) | |
|---|---|---|
| 証明 | 分析試験または給与試験が必要 | 不要 |
| 成長段階の表示 | 幼犬用、成犬用などを必ず書く | 書かなくてよい |
| 想定した使い方 | 毎日の主食 | 総合栄養食に足す |
| 規約が求める併記 | なし | 別途栄養補給が必要な旨、または一緒に与えるフードの名称 |
栄養の基準はAAFCO(アメリカ飼料検査官協会)の数字が使われていて、協議会もこれを採用しています。成犬の維持期で粗タンパク質18.0%以上、粗脂肪5.5%以上。子犬や妊娠中の母犬はもっと高くて、粗タンパク質22.5%以上、粗脂肪8.5%以上です。
ここで勘違いしやすいのが、袋の成分表の数字が基準を超えていても、それだけでは総合栄養食にならないという点です。基準はタンパク質と脂質だけでなく、ビタミンやミネラルを含む項目全体で決まります。そして成分表に載っているのは、たんぱく質、脂質、粗繊維、灰分、水分の5つだけ。ビタミンやミネラルの数字は、そもそも書かれていません。
実際に、原料だけで基準を満たしきれない部分をビタミンとミネラルで補強したフードもあります。ビタミンとミネラルを補強した安心犬活の口コミと原材料に、その告知と原材料表の変更をまとめました。
袋の成分表の見方は、書いてあるとおりに読むのがいちばん確実です。たんぱく質と脂質は「○%以上」、粗繊維と灰分と水分は「○%以下」と書くルールになっています。どれも保証する値であって、実測値ではありません。
袋の裏の「目的」の欄を見れば、どちらかがすぐ分かります
一般食か総合栄養食かは、袋の裏の「目的」という欄で見分けます。原材料と成分表の近くに、小さな表になって入っていることが多いです。ここに総合栄養食と書いてあれば主食にできるフード、一般食や副食と書いてあれば足して使うフードです。
見るときの順番はこうです。
- 裏面で「目的」の欄を探す
- 総合栄養食と書かれているか確かめる
- 書かれていたら、その隣の成長段階(幼犬用、成犬用、全成長段階用など)を見る
- 一般食、副食、栄養補完食、カロリー補給用と書かれていたら、足して使うフードだと判断する
- 「〇〇と併せて与えてください」の一文があれば、そこに何と組み合わせるかが書いてあります
ネット通販だと袋の裏が写っていないことがあります。その場合は商品ページの商品説明か、メーカーの公式サイトのよくある質問を見ると書いてあります。書いていないときは、総合栄養食だと決めつけないほうが安全です。
袋の裏には目的のほかに賞味期限も必ず入っています。ただしあの数字は未開封のあいだの期限で、封を切ったあとは別の目安に切り替わります。読み方はドッグフードの賞味期限は未開封のときの期限にまとめました。
目的の欄に「療法食」と書かれたフードは、獣医師の指導のもとで使うものです。市販の総合栄養食では代わりにならない理由を、低タンパクのフードが市販で見つからない理由で成分の数字から確かめました。
一般食を主食にすること自体は、禁じられていない
一般食を毎日の主食にすること自体は、禁じられていません。ただし規約とメーカーの説明が同じ方向を向いていない商品があり、そこは飼い主が判断することになります。
規約のほうは、一般食や副食には「1日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給する必要がある旨、または同時に与える必要があるペットフードや食材の名称を併記する」ことを求めています。組み合わせて使う前提です。
一方で、一般食として売りながら主食向けだと案内している商品もあります。うちが調べた馬肉自然づくりがそうでした。作っている利他フーズは、公式サイトのよくある質問でこう書いています。
総合栄養食は、自然食材だけではなく、サプリメントなどを添加して基準を満たす必要があります。健康いぬ生活では、自慢の馬肉と日本の安心できる原材料で自然食に近いフードを実現したく、今回は「馬肉自然づくり」の開発段階から、あえて総合栄養食にしませんでした。
基準を満たせなかったのではなく、合成のビタミン剤やミネラル剤を足す道を選ばなかった、ということですね。同じ回答は「一般食ではありますが、必要な栄養成分がしっかりと含まれておりますので、主食としてご利用いただけます」と続きます。
反対に、合成のビタミンとミネラルを足して総合栄養食にしているフードは、粗灰分の数字が上がります。灰分7%のフードは何でミネラルを入れているのかで原材料を見ました。
どちらが正しいという話ではありません。 規約は組み合わせを前提にしていて、メーカーは単体でも足りると説明している。その差を知ったうえで買うかどうか、という位置にある商品だということです。うちなら、これ1袋で長期間まかなう使い方は選びません。総合栄養食を主食に置いて、そこへ足す側で使います。
主食にするのか足すのか、そこを最初に決める
一般食を買う前に次の5つを決めておくと、あとで迷いません。順番も大事で、1が決まっていないと残りが決まらないからです。
- 主食にするのか、足すのか。 ここを最初に決めます。足す側にするなら栄養の土台は総合栄養食が持つので、あとの判断がぐっと楽になります
- 成長段階を確かめる。 一般食には成長段階の表示義務がありません。対象年齢はメーカーの説明で確認します。子犬は成犬より高い栄養が必要なので、総合栄養食を主食にしてください。量の考え方は子犬のご飯の量と回数の記事にまとめました
- 足すなら、その分を1日の量から引く。 足したぶんはカロリーとして加算されます。主食を減らさずに乗せ続けると、単純に食べる量が増えます
- 切り替えは1週間から1ヶ月かける。 急に変えるとお腹を崩しやすいです。うちのように偏食の子なら1ヶ月見ておくくらいでちょうどいい。手順はドッグフードの切り替え方法の記事に書いています
- 持病がある子は獣医師に相談する。 療法食を出されている子は特に、自己判断で足さないでください
うちの正直なところを書くと、3番は守れていない日があります。パフィはフードだけだと食べてくれないので、上にちゅるビーごはんを少しかけています。トリミングサロンで「ちゅーるのあげすぎはよくない」と言われてから量は減らしましたが、ゼロにはできていません。足す前提で暮らしているなら、主食のほうを総合栄養食にしておく。 それが現実的な落としどころだと思っています。
主食は総合栄養食から選び、一般食は足す側に置きます
具体的にどう組むかを、うちのサイトに登録している商品で書きます。主食にする総合栄養食を先に決めて、そこへ足す一般食を選ぶ、という順番です。
主食にできる総合栄養食
ドッグフード工房の選べる3袋セット

合成添加物を使わずに、食材そのものの栄養だけで総合栄養食の基準をクリアしている国産フードです。「自然派だけど総合栄養食がいい」という条件にいちばん近い1本。フレーバーには馬肉もあります。楽天のレビューは1,199件です。
ドッグフード工房の商品ページに4フレーバーの成分値を並べています。
うまか(UMAKA)ドッグフード

九州の華味鳥を使った国産の総合栄養食で、オイルコーティングをしていません。全犬種全年齢対応なので、子犬から同じフードで通せます。粗タンパク質21.4%以上、350kcal/100g。
うまかの商品ページに原材料と価格を載せています。
懐石彩膳(1歳から)の食べ比べ3種セット

半生タイプの総合栄養食で、50g×4袋の個包装です。うちが使っていたプッチーヌの後継として注目しているのがこれ。国産、半生、少量分包という骨格がそのまま引き継がれています。カリカリを食べない子の主食候補です。
懐石彩膳の商品ページに3種の成分値を並べています。カリカリを食べない子の話は偏食の犬のフード選びの記事にまとめました。
- 価格
- 1,788円(税込)
- 単価
- 200g×3袋(計600g)の食べ比べセット
- メーカー
- ペットライン株式会社
- タイプ
- ドライフード
ドギーマンの無添加良品からだ想いの毎日ごはん(体重管理用)

粗脂肪2.0%以上に抑えた低脂肪の半生で、これも総合栄養食です。冒頭に書いた「袋の裏をひっくり返した」フードがこれでした。パフィは食べてくれましたが、低脂肪タイプは食いつきより体重管理が目的の子向けだと思います。200gで400円前後なので、半生を1袋ストックしておく用途にも向いています。
ドギーマン無添加良品の商品ページに成分を載せています。
- 価格
- 394円(税込)
- 単価
- 1袋200g(50g×4パック)
- メーカー
- ドギーマンハヤシ株式会社
- タイプ
- ドライフード
足す側に向くフード
馬肉自然づくり(健康いぬ生活)1kg

一般食として売られている国産のドライです。粒は約5mmで、表面に油を吹き付けるオイルコーティングをしていません。楽天のレビュー104件(平均4.67)を読むと「かつお節のようなにおい」「出汁のいい匂い」と香りに触れている人がとても多くて、食いつきの底上げに足す使い方と相性がよさそうです。
馬肉自然づくりの商品ページに原材料17種と価格、レビューの内訳をまとめています。
馬肉パラパラミンチ(利他フーズ)300g×3袋

同じ利他フーズの馬肉100%の冷凍ミンチで、これも総合栄養食ではありません。凍ったままパラパラほぐせるので、その日の食べ具合を見て量を変えられます。主食を変えずに足すだけなら、いちばん影響が小さい入り方です。
馬肉パラパラミンチの商品ページに解凍のしかたを書いています。トッピング全体の考え方はドッグフードのトッピングの記事にまとめました。
ココグルメの手作りドッグフード

冷凍のフレッシュフードで、こちらはAAFCO 2016基準の総合栄養食です。トッピングに使う側が総合栄養食だと、足したぶんで栄養バランスが崩れる心配をしなくて済みます。主食としても使えるので、足す側から始めて主食に移す、という進め方もできます。
ココグルメの商品ページに定期便の単価を載せています。
ここまでの7点をまとめて比べます
| 商品名 | タイプ | 目的の区分 | 粗タンパク質 | 置く位置 | ショップ |
|---|---|---|---|---|---|
| ドッグフード工房の選べる3袋セット | ドライ | 総合栄養食 | 21〜24%以上 | 主食 | |
| うまか(UMAKA)ドッグフード | ドライ | 総合栄養食 | 21.4%以上 | 主食(子犬から) | |
| 懐石彩膳(1歳から)の食べ比べ3種セット | 半生 | 総合栄養食 | 16.5%以上 | 主食(カリカリが苦手な子) | |
| ドギーマンの無添加良品からだ想いの毎日ごはん(体重管理用) | 半生 | 総合栄養食 | 14.0%以上 | 主食(低脂肪) | |
| 馬肉自然づくり(健康いぬ生活)1kg | ドライ | 一般食 | 27.0%以上 | 足す側 | |
| 馬肉パラパラミンチ(利他フーズ)300g×3袋 | 冷凍 | 総合栄養食ではない | 馬肉100% | 足す側 | |
| ココグルメの手作りドッグフード | 冷凍 | 総合栄養食 | 13.1%以上 | 主食にも足す側にも |
粗タンパク質は袋の表示値です。半生と冷凍は水分が多いぶん低く出るので、ドライと直接くらべると実態を見誤ります。そろえたいときは表示値を(100−水分%)で割ってください。フード選び全体の流れは小型犬のドッグフードの選び方の記事に、シニア期の切り替えはシニア犬のフードの記事に書いています。
なお、総合栄養食の栄養基準には上限が決まっている成分もあります。海藻に多いヨウ素がそのひとつで、5kgの犬なら1日およそ1,000マイクログラムが目安。フードの原材料に海藻が入っていると、そこにトッピングを足した時点で超えることがあります。犬の海藻とヨウ素の上限に、サイト登録のドライフード74点を数え直した結果を載せました。
おやつは間食、トッピングは一般食と同じ扱いです
毎日あげているおやつやトッピングにも区分があります。ちゅーるやジャーキーは間食、ふりかけタイプやウェットのおかずは一般食(その他の目的食)です。どちらも主食の外側にあるものなので、合計が増えれば主食を減らす必要が出てきます。
間食には給与限度量の表示義務があって、袋のどこかに「1日あたり○本まで」と書かれています。総合栄養食にはこの表示がありません。限度量が書いてある時点で、それは主食ではないという読み方ができます。
うちの場合、パフィがフードを食べてくれない日にちゅーるかちゅるビーを使います。ちゅるビーはおやつなので単体であげるとフードを食べなくなり、フードの下に隠すのが定番になりました。トリミングサロンで量を指摘されてからは、全部食べた日のごほうびに寄せています。足すものを減らすより、主食のほうを食べてくれるものに変えるほうが早いというのが、2年やってみての実感です。
うちは一般食を足す側に置いています
区分を知ってからフードの棚の見え方が変わりました。名前と粒の大きさの前に、まず裏面の「目的」を見ます。5秒で済むのに、主食にできるかどうかがそこで決まる。
うちの組み方は単純で、主食は総合栄養食、足すものは何でもいい、という形にしています。パフィは食べムラのある子なので、上に何かをかける日は今後もなくなりません。だったら土台のほうを固くしておくほうが安心できる。一般食が悪いという話ではまったくなくて、置く場所の問題だと思っています。
一般食として売られているフードには、原材料をそのまま使いたくて基準を外している商品があります。作り方の思想としてはむしろ丁寧なほうです。その代わり、足りない分をどこで補うかは飼い主が決めることになる。買う前に決めておくのはそこだけです。
原材料の読み方はヒューマングレードのドッグフードの記事にまとめています。









