夕ごはんにサラダが出ると、うちのパフィ(ポメプー・メス・2歳・5.12kg)はテーブルの横に来てねだります。お目当てはレタスです。時々ひと口大にちぎったのを2〜3切れあげると喜んで食べて、翌日のうんちもいつもどおり。レタスは犬が食べて良い野菜で、かかりつけの動物病院でも「野菜は少量ならOK」と言われています。
ただ、その「少量」がどれくらいなのかは、調べるまでよく分かっていませんでした。食品成分データベースで計算してみると、パフィの1日のおやつの上限を全部レタスにしても玉レタス300g、葉っぱにして10枚ぶん。カロリーでは量が決まらないんですよね。じゃあ何を見て止めればいいのか、葉っぱより気をつけるものは何なのかを、数字とうちのやり方で書いていきます。
犬はレタスを食べても大丈夫、玉レタスは95.9%が水です

犬にレタスを与えて問題ありません。玉ねぎやにんにくのように犬の体に毒になる成分を持つ野菜ではなく、アメリカケネルクラブ(AKC)もレタスは適量なら犬が食べて安全な野菜として挙げています。中身のほとんどは水で、玉レタスは100gのうち95.9gが水分です。
文部科学省の食品成分データベース(八訂増補2023年版)で、スーパーでいちばん見かける玉レタス(土耕栽培・結球葉・生)を引くと、100gあたりエネルギー11kcal、食物繊維1.1g、ナトリウム2mg。塩気も脂もほとんどありません。
パフィはレタスが好きで、サラダが出るとテーブルの横から離れません。塩気も脂もない野菜なので、ねだられたときに少し分けるにはちょうどいいんですよね。
ひとつ覚えておきたいのは、犬は葉っぱの繊維をあまり分解できないことです。大きいまま飲み込むと、そのままの形でうんちに出てくることがあります。パフィは細かくちぎっているせいか、今のところ葉っぱが出てきたことはありません。
5kgの犬の1日のおやつ33kcalは、玉レタスなら300gぶんです

体重5kgの犬が1日にレタスから食べられる量を、カロリーだけで上限を引くと玉レタスで約300gになります。おやつは1日に必要なカロリーの1割まで、という目安で計算した数字です。
パフィの5.12kgで計算すると、安静にしているときに使うエネルギーが238kcal。避妊済みの成犬なので活動の係数1.4をかけて、1日に必要なのは約333kcalです。うちはおやつを1日の1割、約33kcalまでと決めているので、これが1日のおやつの上限です。
| レタスの種類(100gあたり) | エネルギー | 33kcalに届く量 |
|---|---|---|
| 玉レタス(土耕栽培) | 11kcal | 約300g |
| サラダ菜 | 10kcal | 約330g |
| サンチュ | 14kcal | 約240g |
| サニーレタス | 15kcal | 約220g |
| リーフレタス | 16kcal | 約210g |
| コスレタス(ロメイン) | 16kcal | 約210g |
レタスの葉は1枚が約30gなので、玉レタスなら葉っぱ10枚ぶん。1枚あげても3.3kcalで、パフィの1日の1%にしかなりません。
300gというのは、パフィの体重の6%にあたります。体重60kgの人なら、3.6kgのレタスを一度に食べる計算です。カロリーの上では届いても、お腹がその前に悲鳴をあげるのは想像がつきますよね。レタスの量はカロリーの計算では決まらない、というのがこの表の言いたいことです。
量はカロリーでなく、かさと翌日の便で決めます
レタスをあげる量は、うんちが変わらない範囲で決めます。300gぶんのレタスには水が288g、食物繊維が3.3g入っていて、量が増えるほどうんちはゆるくなります。止めるのはカロリーではなく、水と繊維のかさです。
うちの量は、ひと口大にちぎったのを2〜3切れ。毎日ではなく、夕食のサラダのときに時々あげています。この量で翌日のうんちが変わったことは一度もありません。動物病院で言われた「野菜は少量ならOK」の少量は、パフィの場合この2〜3切れなんだろうなと思っています。
初めての子なら、まず1切れから始めて、翌日のうんちを見てください。形が崩れていなければ次から2〜3切れ。ゆるくなったら量を戻す。グラムを量るより、この確かめ方のほうが続けやすいです。
フードの上に乗せる場合も考え方は同じで、レタスはおやつの延長として扱います。トッピング全体の考え方はドッグフードのトッピングで食いつきを上げるコツにまとめました。
サンチュとリーフレタスは、玉レタスよりβカロテンが約10〜16倍多い

同じレタスの仲間でも、葉が緑の濃い種類ほど栄養の数字が大きく変わります。いちばん差が開くのはβカロテンで、サンチュは玉レタスの約16倍、リーフレタスは約10倍です。
| 種類(100gあたり) | 水分 | 食物繊維 | カリウム | βカロテン当量 |
|---|---|---|---|---|
| 玉レタス(土耕栽培) | 95.9g | 1.1g | 200mg | 240µg |
| サラダ菜 | 94.9g | 1.8g | 410mg | 2,200µg |
| リーフレタス | 94.0g | 1.9g | 490mg | 2,300µg |
| サニーレタス | 94.1g | 2.0g | 410mg | 2,000µg |
| コスレタス(ロメイン) | 94.5g | 1.9g | 250mg | 510µg |
| サンチュ | 94.5g | 2.0g | 470mg | 3,800µg |
出典は文部科学省の食品成分データベース(八訂増補2023年版)です。
βカロテンは犬の体の中でビタミンAに変わります。ただ、総合栄養食を食べていればビタミンAはもう足りているので、栄養のためにサンチュを選ぶ理由は薄いです。家にあるほうで十分です。
気にしておきたいのは食物繊維とカリウムのほうです。サニーレタスやサンチュは食物繊維が玉レタスの約2倍あるので、同じ2〜3切れでもお腹への響き方が強くなります。 葉の色が濃い種類に替えた日は、1切れ減らすくらいでちょうどいいと思います。カリウムも2倍以上なので、腎臓や心臓の病気で食事を指定されている子は、緑の濃い葉ものを足す前に主治医に聞いてください。
危ないのはレタスより、ドレッシングと玉ねぎとにんにくです
レタスそのものより、レタスと一緒にお皿に乗っているもののほうが危険です。AKCも、人のサラダの残りを犬にあげないよう書いていて、理由に挙げているのは玉ねぎです。
サラダから取り分けるときに、外しておきたいものはこのあたりです。
- ドレッシング(塩と油。玉ねぎやにんにくのエキスが入っているものもある)
- スライスした玉ねぎ、紫玉ねぎ
- ポテトサラダやコールスロー(玉ねぎが混ざっていることが多い)
- ハム、ベーコン、クルトン、チーズの粉(塩と脂)
玉ねぎについては、獣医向けのMSDマニュアルに、生の玉ねぎを体重1kgあたり15〜30g食べた犬で症状が出たと書かれています。パフィの体重なら77〜154g。これは症状が出た例の幅で、ここまでなら平気という線ではありません。しかも症状は食べてから数日あとに出ることがあるので、口に入ったと分かった時点で動物病院に電話するのが早いです。
見落としやすいのが、焼肉のときのサンチュです。サンチュ自体は表のとおり問題ないんですが、肉を包んだあとの葉には、タレとにんにくが付いています。 あげるなら、肉を包む前のきれいな葉から取り分けてください。
食卓から落ちたものを拾ってしまう子は、そもそも取り分けより先に拾い食い対策が要ります。パフィも小さいころは何でも拾っていたので、拾い食いをやめさせた方法も置いておきます。
あげるときは、味付け前の葉を洗ってちぎるだけです
レタスのあげ方は、加熱も味付けもいりません。うちでは次の4つだけを決めています。
- 味が付く前の葉を取り分ける。 ドレッシングをかける前、肉を包む前に、犬のぶんを先に分ける
- 流水で洗って、水気を切る。 外側の葉は土や汚れが付きやすいので、よく洗うか内側の葉を使う
- 口の幅より小さくちぎる。 パフィはひと口大。大きい葉を丸ごとあげると、喉に貼り付いたり丸飲みしたりしやすい
- 翌日のうんちを見る。 初めての種類や、いつもより多くあげた日は特に
芯はかたくて繊維がかたまっているので、あげるなら細かく刻んでください。
茹でたり炒めたりするとかさが減って食べやすくなりますが、そのぶん同じかさで量が増えます。それに、人の料理から取り分けた加熱レタスにはたいてい塩や油やにんにくが入っているので、取り分けるなら味付け前の生の葉からが安心です。
ドッグフード104点の原材料に、レタスは1点もありません

わんらいふナビに登録している口に入る商品のうち、原材料の表示を読めた104点を野菜ごとに数えました。ドライフード60点・サプリメント17点・おやつ14点・ウェットフード9点・その他4点です。レタスが入っていた商品は0点でした。
| 原材料に入っていた野菜 | 104点のうち |
|---|---|
| にんじん | 23点 |
| さつまいも | 20点 |
| ほうれん草 | 17点 |
| かぼちゃ | 7点 |
| キャベツ | 4点 |
| ブロッコリー | 3点 |
| 小松菜 | 2点 |
| レタス | 0点 |
パフィが長く食べていた半生フードのプッチーヌも、原材料の野菜類は「パプリカ、ほうれん草パウダー、にんじん」でした。レタスは出てきません。
理由ははっきり書かれていないので推測になりますが、フードに使われる野菜は、いも類やかぼちゃのように乾かしても栄養やでんぷんが残るものが中心です。95.9%が水のレタスは、乾かすとほとんど何も残りません。
ここから言えるのは、レタスは栄養を足すためにあげるものではないということです。必要な栄養は総合栄養食の側で満たされていて、レタスはその上に乗る「楽しみ」の位置。総合栄養食とそうでないフードの違いはドッグフードの一般食と総合栄養食の違いに書いています。
レタスをあげたい理由で、代わりになる商品が変わります
レタスをあげたくなる理由は、だいたい「水分をとらせたい」「野菜を食べさせたい」「何か噛ませてあげたい」のどれかだと思います。理由がはっきりしているなら、その目的に向いたものが別にあります。
水分をとらせたいなら、レタスと同じくらい水っぽいゼリーが持ち歩けます
アース・ペットのペットスエットゼリー(愛犬用ミルク味)

アース・ペットの、犬用の水分補給ゼリーです。1本20gで約3kcal、水分は97%以下。玉レタス20gが水分19.2gで2.2kcalなので、水分とカロリーの数字はレタスとほとんど同じです。
違うのは中身で、水分と一緒にイオン(ミネラル)が入っていて、食物繊維はありません。レタスは食べさせすぎるとかさでうんちがゆるくなりますが、ゼリーにはその心配が少ないです。20g×7本で392円、1本あたり約56円(価格は動くので買う前に確かめてください)。ごはんの代わりにはならない栄養補完食なので、水皿の水の代わりにもなりません。
夏の散歩のあとや車での移動中に、水皿の水を飲んでくれないときの手段として向いています。成分とあげ方はペットスエットゼリーの商品ページに載せました。レタスと違って袋のまま散歩バッグに入るので、外で水を飲まない子でも、帰り道にこれ1本で水分をとらせてあげられます。
野菜を食べさせたいなら、野菜ごと総合栄養食になったフードが早い
ココグルメの手作りドッグフード

国産の食材を低温調理して冷凍した、フレッシュタイプの総合栄養食です。いちばん人気のチキン&ベジタブルは、原材料が国産鶏肉・さつまいも・かぼちゃ・にんじん・小松菜で、100gあたり116kcal、水分は72.6%以下。上の表でいうと、フードに使われやすい野菜がそのまま入っています。ここにもレタスは入っていません。
楽天では520件以上のレビューで評価4.60。100gあたり約374円(定期便16袋の場合)とドライフードよりかなり高く、冷凍庫の場所も取ります。トッピングにするなら、乗せたぶんだけいつものフードを減らしてください。
ほかのフレーバーや体重別の量はココグルメの商品ページにあります。サラダを取り分けるたびに栄養が足りているのか気になるなら、野菜が最初から入ったこのフードを1食ぶんトッピングすれば、ドレッシングを避ける手間なしで野菜入りのごはんになります。
噛む音を楽しんでいるなら、牛皮を使わない植物性のガムがあります
ビルバックのC.E.T.ベジデントフレッシュ(XSサイズ)

コーンスターチ・大豆タンパク・米粉などで作った植物性の歯みがきガムで、XSは5kg以下の小型犬向けです。歯垢と歯石の両方で、アメリカの獣医口腔衛生協議会(VOHC)の犬用認証一覧に載っています。楽天では331件で平均4.76、★2は0件でした。
レタスと比べて気をつけたいのはカロリーで、1本24kcal。玉レタスなら約220gぶんです。レビューにも割る・切る・折るの話が34件あって、小型犬は分けて使う人が多いです。甘味料と保存料が入っているのと、噛む力の強い子は30秒ほどで食べきってしまう点は好みが分かれます。
ガムの選び方はデンタルガムの効果を調べた記事に、成分の詳細はベジデントフレッシュの商品ページにあります。レタスのシャキシャキが好きな子なら、1本を3つに割って1日1かけにすると約8kcal。5kgの子の1日のおやつの上限33kcalの4分の1で、毎日の噛む時間をつくれます。
便がゆるくなっても、元気と食欲があれば1日様子を見ます

レタスを食べたあとにうんちがゆるくなっても、いつもどおり動いてごはんを食べているなら、あげるのをやめて1日様子を見て構いません。 原因のほとんどは水と繊維のかさなので、量を戻せばおさまります。
ただし、次のどれかがあれば様子見はせず、動物病院に電話してください。
- 何度も吐く、ぐったりして動かない
- うんちに血が混じる、黒っぽい
- ドレッシングや玉ねぎの入ったサラダを食べた
- 下痢が2日以上続く
うんちの色や回数で受診を決める目安は、犬の下痢で様子見と受診を分ける方法に書いています。パフィは今のところ、レタスのあとでうんちが変わったことはありません。
レタスはひと口大2〜3切れ、味が付く前の葉から始めれば大丈夫です
レタスは犬が食べて良い野菜で、カロリーの上では5kgの子でも300gまで届きます。でも、実際に量を決めるのはかさと翌日のうんちのほう。うちはひと口大を2〜3切れ、サラダのときに時々、で落ち着いています。
本当に気をつけるのは、レタスと一緒にお皿に乗っているドレッシングや玉ねぎ、焼肉のタレやにんにくです。犬のぶんは味が付く前に取り分ける。これだけ守れば、食卓のおねだりタイムはわりと平和に過ごせます。
水分をとらせたくてレタスを考えていたなら、散歩バッグに入れておけるペットスエットゼリーのほうが外でも使えます。台所のレタスは、あくまでパフィとのおやつの時間の楽しみ、というのがうちの落ち着いたところです。









