馬肉自然づくりのカロリーを調べている人が本当に知りたいのは、たぶん数字そのものではなくて「うちの子に何グラムあげればいいのか」と「太らせずに済むのか」だと思います。公表値は100gあたり399kcal。ドッグフードは340〜380kcalくらいが多いので、たしかに上のほうです。
ただ、メーカーが出している体重別の給与量表を13点ぶん電卓に入れて逆算したら、想像と違う結果が出ました。この表、犬の安静時代謝の1.40倍というかなり控えめな数字で組まれています。カロリーが高いぶん量を減らしてある、というより、そもそも設計が慎重なんですね。うちのパフィ(ポメプー・メス・2歳・5.12kg)に当てはめると1日84g。使う係数を変えると96gまで動きます。
馬肉自然づくりのカロリーは100gあたり399kcalです
馬肉自然づくりのカロリーは、100gあたり399kcalです。販売元の健康いぬ生活が公表している成分値で、粗タンパク質27.0%以上、粗脂肪11.1%以上、粗繊維5.2%以下、粗灰分2.2%以下、水分7.0%以下と一緒に記載されています。
数字を並べてみると、この製品の特徴がわかりやすくなります。
| 項目 | 馬肉自然づくり | よくあるドッグフード |
|---|---|---|
| カロリー | 399kcal/100g | 340〜380kcal/100g |
| 粗タンパク質 | 27.0%以上 | 20〜30%前後 |
| 粗脂肪 | 11.1%以上 | 10〜18%前後 |
| 粗灰分 | 2.2%以下 | 6〜8%前後 |
| 水分 | 7.0%以下 | 10%前後 |
目を引くのは粗灰分の2.2%です。灰分はミネラル分のことで、ここが低いということは、その分だけ熱量になる成分が詰まっているという意味になります。水分も7%以下と低い。カロリーが高いのは脂のせいではなく、かさになる成分が少ないから、というのがこのフードの中身です。実際、粗脂肪11.1%はカナガン チキン・サーモンの15%より低く、モグワンの10%とほぼ同じでした。
馬肉自然づくり(健康いぬ生活)1kg

熊本の利他フーズが自社工場で作っている馬肉のドライフードです。粒は5mmほどの小粒で、オイルコーティングをしていないので手や皿がベタつかない、という声が楽天のレビューに複数ありました。馬肉自然づくりの商品ページに原材料17種と価格の内訳をまとめてあります。
係数の違いで、同じ成分値でも表示は44kcal変わる
同じ成分値でも、使う係数によって表示カロリーは44kcal変わります。馬肉自然づくりの成分値を人の食品と同じアトウォーター係数(タンパク質4・脂質9・炭水化物4kcal/g)で計算すると397.9kcal。公表値の399kcalとほぼ一致します。
一方、ペットフードで一般的に使われるのは修正アトウォーター係数(タンパク質3.5・脂質8.5・可溶無窒素物3.5kcal/g)のほうです。日本ではペットフード公正取引協議会が採用しているAAFCO基準がこの方式で、実測試験をしていない場合のラベル表示はこちらで計算することが認められています。同じ成分値を修正アトウォーターで計算すると、答えは355kcalでした。
| 計算方式 | 計算結果 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| アトウォーター係数(4・9・4) | 397.9kcal/100g | 人の食品の栄養表示 |
| 修正アトウォーター係数(3.5・8.5・3.5) | 355.1kcal/100g | ペットフードのラベル表示 |
公表値の399kcalが前者とほぼ一致するので、この数字は人の食品と同じ計算で出ている可能性があります。断定はできません。ただ、他社のフードが修正アトウォーターで表示していた場合、399kcalと361.5kcalを並べて「40kcal近く高い」と比べるのは、そもそも物差しが違うということになります。
安心犬活の360kcalも同じ係数で出ています。成分値から逆算すると数字が合うので、フード同士のカロリーを比べるときはこの前提を先にそろえてください。
僕もこれを計算するまでは、単純に「高カロリーなフード」だと思っていました。数字の出どころまで見ないと比較にならないんですね。
体重別の給与量早見表、メーカーの数字は控えめに作られています
先に結論を書くと、馬肉自然づくりの給与量表は、犬の安静時代謝(RER)の1.40倍で組まれています。公表されている13点の数値をすべて逆算したところ、係数は1.368〜1.399の範囲に収まりました。ほぼ誤差なく1.4です。
計算の中身はこうです。犬の1日に必要なカロリーは、まず安静時代謝を「70×体重の0.75乗」で出し、それに状態ごとの係数をかけて求めます(アニコム損保の獣医師監修記事より)。公表されている給与量に399kcalを掛け戻せば、メーカーが何kcalを想定しているかがわかります。
| 体重 | メーカー公表の給与量 | そのkcal | 安静時代謝との比 |
|---|---|---|---|
| 3kg | 55g | 219kcal | 1.375倍 |
| 5kg | 82g | 327kcal | 1.398倍 |
| 10.5kg | 143g | 571kcal | 1.397倍 |
| 15kg | 187g | 746kcal | 1.398倍 |
| 20kg | 232g | 926kcal | 1.398倍 |
ここで効いてくるのが、1.4という数字の意味です。獣医領域で使われる係数表では、1.2〜1.4は「肥満傾向の犬」、1.1〜1.4は「高齢犬」の帯にあたります。避妊去勢済みの成犬に使う標準は1.6、していない子は1.8です。成長期にいたっては生後4か月未満で3.0、4〜9か月で2.5なので、この表の量では計算が合いません(子犬のご飯の量と回数の目安に月齢ごとの考え方を書いています)。
つまりメーカーの表は、太りやすい子や動きが落ちてきた子を基準にした慎重な設定です。よく走る若い子や、まだ手術をしていない子が表の通りに食べていると、計算上は足りません。逆に、体重が気になっている子にはちょうどいい。表の数字は「安全側に倒した目安」であって、全部の犬の正解ではないと思っておくといいです。
係数ごとに直した早見表を置いておきます。399kcalで割ったグラム数です。
| 体重 | 減量したい子(1.0倍) | メーカーの目安(1.4倍) | 避妊去勢済みの標準(1.6倍) |
|---|---|---|---|
| 1kg | 18g | 25g | 28g |
| 2kg | 30g | 41g | 47g |
| 3kg | 40g | 56g | 64g |
| 4kg | 50g | 69g | 79g |
| 5kg | 59g | 82g | 94g |
| 6kg | 67g | 94g | 108g |
| 8kg | 83g | 117g | 134g |
| 10kg | 99g | 138g | 158g |
| 15kg | 134g | 187g | 214g |
| 20kg | 166g | 232g | 265g |
5.12kgのパフィで計算すると、1日84gと96gに割れた
パフィの直近の実測体重は5.12kgです。2026年4月、注射のときに動物病院で測ってもらった数字なので、抱っこ計算ではない正確な値になります。この体重で計算すると、安静時代謝は238kcal。
- メーカーの目安(1.4倍)=334kcal=1日84g
- 避妊去勢済みの標準(1.6倍)=381kcal=1日96g
パフィは避妊手術済みなので、教科書どおりなら1.6です。でも完全室内飼いで、日中はほとんどソファで寝ています。散歩は毎日行きますが、使役犬のように走り回っているわけではない。この子の実態は1.4と1.6のあいだというのが正直な感覚で、実際に始めるなら84gから入れて、2週間ごとに体重と肋骨まわりの肉の付き具合を見て動かすと思います。
獣医さんには「体重だけでは肥満は判断できない。この子は贅肉が多いわけではなく、ただ体の大きい子」と言われていて、ダイエットの指示は出ていません。肋骨まわりの肉をつまんでチェックする方法を教わってからは、ときどきお腹を触っては嫌がられています。
12gの差って、見た目にすると本当に小さいんです。小さじ2杯ちょっと。それでも1か月で360g、フード1袋の3分の1が変わります。
一般食なので、カロリーを合わせても栄養は完結しない
これはカロリーの話より先に知っておいたほうがいい情報です。馬肉自然づくりは総合栄養食ではなく、一般食として作られています。 販売元の健康いぬ生活が公式に「AAFCOの基準を満たしていないフード」「あえて一般食としてお作りしております」と明記しています。
理由は原材料の考え方にあります。総合栄養食の基準を満たすにはビタミンやミネラルを添加する必要があり、それをしない方針だからこの分類になっている、という説明です。ミネラル類の一部が基準にわずかに届かないだけで、他の栄養素は基準に達しているとも書かれています。
ここが給与量表とセットで効いてきます。表の量を食べさせればカロリーは満たせますが、それで栄養設計が完結するわけではありません。 主食として単体で使い続けるつもりなら、獣医師に相談するか、総合栄養食と組み合わせる前提で考えることになります。
同じ利他フーズには、トッピング用の馬肉もあります。
馬肉パラパラミンチ(利他フーズ)300g×3袋

こちらは約175kcal/100gの冷凍ミンチで、同じく一般食です。凍ったままほぐして主食にかける使い方なので、カロリー計算は「主食の量を少し減らして、その分をミンチに置き換える」形になります。馬肉パラパラミンチの商品ページに解凍のしかたと1回量の目安をまとめました。
カロリーの高さより、おやつの引き算のほうが効きます
太るかどうかを左右するのは、フードのカロリーそのものより、その日1日で口に入った総量です。うちがずっとやっているのはおやつを足し算ではなく引き算で考えるやり方で、おやつをあげた日はその分ご飯を気持ち少なめにします。
きっかけはトリミングサロンで「ちゅーるの食べすぎはよくない」と言われたことでした。それまでは、ご飯はご飯、おやつはおやつと別勘定にしていたんですよね。今は1日の総カロリーの1割程度をおやつの上限の目安にしています。
5.12kgのパフィで具体的に計算するとこうなります。1日334kcalなら、おやつの枠は約33kcal。ちゅーる1本が7kcal前後なので4本ぶんです。33kcalを馬肉自然づくりのグラム数に直すと8g。おやつを枠いっぱい使った日は、ご飯を84gから76gに減らす、という引き算になります。
おやつを足し算で考えると総カロリーが増えて、その結果ご飯を残す。残すからおやつでごまかす。この悪循環にうちは一度はまりました。カロリーの高いフードほど、この8gの調整がやりやすいとも言えます。量が少ないぶん、減らしたときの体積の変化が小さいので。
他のドッグフードと比べると、1日の差は8gしかありません
同じ犬に同じカロリーを与えるなら、フードのカロリーが高いほど必要なグラム数は減ります。5.12kgのパフィに1日334kcal(1.4倍基準)を与える前提で、うちで扱っているフードを並べ直しました。
| 商品名 | カロリー | 1日に必要な量 | 粗脂肪 | ショップ |
|---|---|---|---|---|
| 馬肉自然づくり | 399kcal | 84g | 11.1%以上 | |
| カナガン チキン・サーモン | 376kcal | 89g | 15%以上 | |
| モグワン | 361.5kcal | 92g | 10%以上 | |
| うまか | 350kcal | 95g | 9.5%以上 | |
| ペロリコドッグフード ライト | 326.9kcal | 102g | 8.0%以上 | |
| ココグルメ | 116kcal | 288g | 水分70〜75% |
一番カロリーが高い馬肉自然づくりと、一般的なドライフードのモグワンとの差は1日8gです。大さじ半分ちょっと。ここまで計算してみて、399kcalという数字にビビっていた自分がちょっと恥ずかしくなりました。
一方でココグルメの288gは別世界です。水分が70〜75%あるフレッシュフードなので、同じカロリーを入れるのに3倍以上の重さが必要になります。うちのパフィは半生タイプがメインなので、この感覚はよくわかります。水分の多いフードからドライに替えると、皿の中身が目に見えて減る。 それで「足りていないんじゃないか」と不安になるんですが、カロリーで見ると合っているんですよね。形状ごとの水分と使い勝手の差はドライフードとウェットフードの違いにまとめてあります。
カロリーを落としたいならライト系という選択もあります
ペロリコドッグフード(ライト)1.8kg

326.9kcal/100gで、粗脂肪は8.0%以上。粗繊維を8.0%以下まで入れて、かさを保ったままカロリーを落とす設計です。同じ334kcalを入れるのに102g必要なので、馬肉自然づくりより18g多く食べられます。量を食べたがる子には効きます。ペロリコドッグフード ライトの商品ページに成分値と粒の形をまとめました。
モグワンドッグフード

361.5kcal/100g、粗タンパク質27%以上で粗脂肪10%以上。馬肉自然づくりとタンパク質は同じで、脂質がわずかに低い組み合わせです。こちらは総合栄養食なので、単体で主食にできます。偏食のパフィにいつか回したいフードとして、候補に残しています。モグワンの商品ページとモグワンを実際に使った人の口コミも合わせてどうぞ。
1kgで約12日分、1日あたり321円という計算になります
カロリーがわかると食費が正確に出せます。5.12kgのパフィが1日84g食べる前提で、袋ごとに何日もつかを割ってみました。
| 買い方 | 価格(税込) | もつ日数 | 1日あたり | 30日あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1kg 通常購入 | 3,840円+送料690円 | 約12.0日 | 378円 | 11,325円 |
| 1kg 定期購入 | 3,280円+送料690円 | 約12.0日 | 331円 | 9,930円 |
| 3kg 定期購入 | 9,280円(送料無料) | 約35.9日 | 259円 | 7,758円 |
| 100g お試し | 550円+送料690円 | 約1.2日 | ー | ー |
1kgを1袋だけ買うと、送料690円が効いて1日378円まで上がります。 12日ごとに送料を払う計算になるので、続けるなら3kgの定期一択です。1日259円まで下がって、月7,758円。
うちの今のフード代は月1万円くらいなので、3kg定期なら少し安くなります。ただしこれは一般食なので、総合栄養食と併用するなら別のフード代が上に乗ります。そこまで含めると、月1万円は超えると思っておいたほうが現実的です。
100gのお試しは1.2日分しかありません。でも、うちみたいにドライを食べてくれない子がいる家では、この550円がいちばん無駄のない使い方だったりします。パフィは半生フードしか受け付けなくて、ドライはふやかしても最後まで移行できませんでした。1kg買って食べてもらえなかったときのダメージを考えると、まず100gなんですよね。
食いつきと便の様子は、パフィに回したタイミングでここに追記します。
数字を出してから決めると、迷いが減ります
馬肉自然づくりのカロリーは399kcal/100g。この数字だけ見て「高い」と判断すると、たぶん判断を間違えます。計算方式によっては355kcal相当ですし、他のフードとの差はうちのパフィで1日8g。それより効いてくるのは、メーカーの給与量表が安静時代謝の1.4倍という控えめな設計であることと、これが総合栄養食ではなく一般食であることのほうでした。
パフィはいまも半生フードのままですが、この記事に置いた早見表と食費の表は、そのまま自分の家の判断に使えるものになりました。同じように電卓を叩こうとしている人の手間が少し減れば嬉しいです。
フードそのものの選び方は小型犬のドッグフードの選び方に、切り替えの進め方はドッグフードの切り替え方法にまとめてあります。うちのパフィみたいに食べてくれない子の話は食べムラのある犬のフード選びへどうぞ。






