犬の水の量を調べると、たいてい「体重×50ml」と出てきます。うちのパフィ(ポメプー・メス・2歳・5.12kg)に当てはめると1日256ml。ところが給水ボトルの目盛りで毎日見ている量は、平均すると200〜250mlでした。目安に届かない日のほうが多くて、最初はちょっと焦ったんですよね。
答えはごはんの中にありました。パフィの主食は水分40%以下の半生フードで、1日分から最大60mlほど水分が入ります。足すと体重1kgあたり49〜61ml、ちゃんと目安の中です。この記事では、計算式によって数字が3倍近く違う理由、飲んだ量の測り方、動物病院に相談する線(パフィなら1日461ml)を、うちの夏と冬の実測と一緒に書いていきます。
犬の水の量は体重1kgあたり50〜60mlが目安

犬が1日にとる水の量は、体重1kgあたり50〜60mlが目安です。5kgの犬なら250〜300ml、10kgなら500〜600mlになります。ただしこれは器から飲む水だけでなく、フードに含まれる水分も合わせた量です。
池田動物病院(世田谷区)の解説も、目安を体重1kgあたり約50ml(40〜60ml)とし、「フードに含まれる水分も含めた量」とはっきり書いています。いぬのきもちの獣医師相談室は、体重×50ml前後という目安を「ドライフードが主食の犬の場合」として出していて、ウェットフードや水分の多い手作り食なら少なめでいいとしています。
パフィの実測を季節ごとに並べると、こうなりました。
| うちのパフィ(5.12kg) | 1日に飲む量 | 体重1kgあたり |
|---|---|---|
| 冬(多い日でも) | 約200ml | 約39ml |
| ふだんの平均 | 200〜250ml | 39〜49ml |
| 留守番が長い日 | 約200ml | 約39ml |
| 夏に長い散歩をした日 | 350〜400ml | 68〜78ml |
この表で見てほしいのは、夏と冬で2倍近く違うことです。同じ子でもこれだけ動くので、1日の数字だけを目安と比べて一喜一憂しなくて大丈夫。ふだんの平均が目安より少し下なのは、次の章で書くフードの水分で説明がつきました。
水の量の計算式は5つあり、5kgの犬で154〜449mlまで開く
ネットで見かける計算式は少なくとも5つあり、5kgの犬に当てはめると154mlから449mlまで3倍近く開きます。数字が違うのは、どこまでの水を数えているか、どれくらい動く犬を想定しているかが式ごとに違うからです。
| 計算式 | パフィ(5.12kg)だと | 何を表している数字か |
|---|---|---|
| 体重1kgあたり30ml | 約154ml | 海外のペット向けサイトで見かける、ざっくりした目安 |
| 体重1kgあたり50〜60ml | 256〜307ml | 国内の獣医師監修記事でいちばん多い。ドライフードの犬が前提 |
| 体重(kg)の0.75乗×132ml | 約449ml | フードの水分や体の中でできる水まで含めた量。活発な犬向け |
| 体重1kgあたり90〜100ml | 461〜512ml | ここを超えると「多飲」。動物病院に相談する線 |
いちばん大きく出る0.75乗×132の式は、成犬が1日に使うカロリーを出す式とほぼ同じ形をしています。犬に必要な水を「1kcalあたり1ml」と見積もる考え方があって(2018年に発表されたネスレ ピュリナの研究が、米国の栄養基準の値として紹介しています)、カロリーの式がそのまま水の式になっているわけです。よく動く犬を前提にした数字なので、日中はほぼソファで寝ているパフィには大きすぎました。
じゃあどれを使えばいいのか。ふだんの目安は「体重1kgあたり50〜60ml」、病院に相談する線は「体重1kgあたり90ml」、この2つだけ覚えておけば足ります。うちもこの2つで見るようになってから、計算サイトをはしごしなくなりました。
半生フードなら食事だけで1日約60mlの水分がとれる

フードに含まれる水分は種類で大きく違い、半生フードなら食事だけで1日約60ml、ドライフードなら約10mlです。同じ5kgの犬でも6倍の差があるので、半生やウェットが主食の子は、器から飲む量が目安より少なくても足りていることがよくあります。
わんらいふナビに登録しているフードの成分表を数えてみると、主食のドライフード32点は水分6〜12%(真ん中が9%)でした。半生の懐石 彩膳とプッチーヌは40%以下、ドギーマンの無添加良品は37%以下。缶詰は77〜84%まで上がります。
パフィの1日分の彩膳は133〜152gなので、水分は最大で53〜61ml。ふだん飲む200〜250mlに足すと253〜311ml、体重1kgあたり49〜61mlになって、目安の50〜60mlにほぼ重なります。焦っていた数字が、足し算ひとつで目安の中に収まったんですよね。これは本当にホッとしました。
パフィは子犬のころ、カリカリのドライフードをなかなか食べてくれなくて、半生に落ち着いた子です。ドライから半生やウェットに切り替えたら水を飲まなくなった、というときも、まずはこの足し算をしてみてください。フードの形による違いはドッグフードのドライとウェットの違いにまとめています。
飲んだ量は目盛り付きの給水ボトルで1週間測ると分かる

犬が飲んだ水の量は、目盛りの付いた給水ボトルで朝の残りを読み、1週間分の平均をとると分かります。お皿だと蒸発した分やこぼした分も減るので、実際に飲んだ量より多く見えがちです。
うちのやり方はこうです。
- 朝、給水ボトルに決まった量を入れる(パフィは400mlのボトルを満タンにする)
- 途中で足したら、その量をメモしておく
- 翌朝、入れ替える前に残りを目盛りで読み、入れた量から引く
- これを1週間続けて平均を出す
お皿で測るなら、犬が届かない場所に同じお皿をもう1つ置いて、そちらの減り方を蒸発分として引くと近い数字が出ます。ただ、お皿をひっくり返す子や口のまわりから水をこぼす子は、どうしてもずれます。
ちなみにパフィは、お皿だと上手に飲めずにボトルへ戻った子です。うちは水道水にBee Mee Nee(水に浸けておくケイ砂のスティック)を入れた水を使っていて、1日1回、朝に入れ替えています。入れ替えのついでに残りを読むだけなので、測る手間はほぼゼロなんですよね。
目盛りで飲んだ量が読める給水ボトルは2本
リッチェルのNウォーターノズル(ボトル付)

パフィが2年使っている給水ボトルです。ボトルの最大目盛りは400mlで、2色の目盛りが付いています。夜に横を通るたびにボトルの水位が目に入るので、「今日はまだ100mlしか減っていないな」と気づけるのがありがたいところ。
楽天の32件のレビューで★2以下は1件だけでした。不満が集まっていたのは水漏れではなく、「玉の動きが重くて子犬が飲めない」という声です。うちでも時々水滴が落ちる程度なので、ボトルの下にバスタオルを1枚敷いて済ませています。ボトルの寸法や吸口の素材はリッチェル Nウォーターノズルの商品ページに載せました。
お皿の水がどれだけ減ったのか、毎晩なんとなく眺めて首をかしげているなら、このボトルがいちばん早いです。400mlは5kgの子の平均的な1日分を入れてもまだ余る容量なので、朝1回入れるだけで夜まで残りを読めます。「今日はちゃんと飲んだかな」が、ボトルを見るだけで答えの出る質問になります。
- 価格
- 2,370円(税込)
- 単価
- 2,460円(ダークブラウン/アイボリー)
- メーカー
- リッチェル
- タイプ
- 室内用品
アイリスオーヤマのペット用給水ボトル(P-KB-R)

容量330ml、吸口はステンレスボールのノズル式です。価格はリッチェルより1,000円ほど安くなります。ただ、ボトルに目盛りが付いていないので、量を測るなら最初にマジックで100mlごとに線を引いておく手間がかかります。
気をつけたいのはレビューの中身です。楽天の132件のうち★2以下が17件あって、ほぼ全部が「ハウスが水浸し」という水漏れの話でした。330mlという容量も、夏に長い散歩をした日のパフィ(350〜400ml)には届きません。水漏れの傾向と置き方はアイリスオーヤマ P-KB-Rの商品ページにまとめています。
小型犬で、冬場や留守番の少ない時期に飲む量を一度測ってみたいだけなら、この価格で試せるのは気が楽です。最初に線を引く5分さえかければ、1週間の平均はこのボトルでも十分出せます。お試しで測るならこの1本、と割り切って選んでください。
体重×90mlを超える日が続いたら動物病院に相談する

犬が1日に体重1kgあたり90〜100mlを超えて水を飲む状態は「多飲」と呼ばれ、動物病院に相談する目安です。5kgの犬なら1日461〜512ml。富士フイルムが獣医師向けに出しているハンドブックも、犬の多飲をこの範囲で定義しています。
パフィのいちばん多い日は、夏に長い散歩をした日の400mlでした。体重1kgあたり78mlなので、この線にはまだ届いていません。散歩や暑さで増えるのは自然なことで、翌日に戻るなら心配はいりません。見てほしいのは、涼しい日や動いていない日でも多い状態が数日続くときです。
飲む量が増えたときに疑われる病気として、池田動物病院やワンクォールの獣医師の解説が共通して挙げているのは次の4つです。
| 疑われる病気 | 一緒に出やすいこと |
|---|---|
| 慢性腎臓病 | おしっこの量が増える、色が薄い。シニア犬に多い |
| 糖尿病 | よく食べるのに痩せてくる |
| クッシング症候群 | お腹がふくらむ、毛が薄くなる |
| 子宮蓄膿症 | 避妊していないメス。発情のあと数週間で起きやすい |
パフィは避妊手術を済ませているので、表のいちばん下はうちには当てはまりません。おしっこは数えたことはないものの、1日5〜8回くらい。量が増えるとトイレシートの濡れ方や交換の回数で気づけるので、水の量とセットで見るようにしています。
「病院に行って、何ともなかったら恥ずかしい」と思う方もいるかもしれません。でも、水の量が増えたと伝えれば、尿検査や血液検査で腎臓や血糖を見てもらえます。うちはまだ飲む量のことで獣医さんに何か言われたことはありませんが、そのときは1週間分のメモを持っていくつもりです。
水を飲まない日が1日だけなら、元気と食欲を見て様子見でいい
犬が水をあまり飲まない日が1日だけで、元気・食欲・おしっこが普段どおりなら、様子を見て大丈夫です。気温が低い日や、寝ている時間が長い日は自然に減ります。一方で、ぐったりしている、ごはんを食べない、吐いている、下痢をしているときは、水の量に関係なく動物病院に連絡してください。
パフィの場合、飲む量が200mlまで落ちるのは留守番が長い日です。ボトルにはまだ水が残っているので、飲めなかったのではなく、ソファで寝て過ごしていて飲まなかっただけなんですよね。帰ってきて大騒ぎしたあとに、まとめて飲みに行く姿を何度も見ています。留守番中の過ごし方は犬の留守番は何時間まで大丈夫かに書きました。
水よりも元気を見る、と考えるようになったのは、パフィがぬいぐるみの中のビーズを飲み込んだときの経験からです。翌日、舌が真っ白になってふらふらと倒れ込み、すぐ病院へ連れて行きました。あのときは水の量どころではなく、様子が「いつもと違う」ことがいちばんのサインでした。
脱水が心配なときは、歯ぐきを指で触って乾いてネバついていないか、首の後ろの皮膚をつまんで離したときにすぐ戻るかを見ます。下痢や嘔吐で水分が出ているときの見分け方は犬の下痢で病院に行くか迷ったときの線引きにまとめています。
水をなかなか飲まない日の補助に使えるゼリー
アース・ペットのペットスエットゼリー(ミルク味)

1本20gのスティックゼリーで、カロリーは約3kcal。成分表の水分は97%なので、1本でとれる水分は20ml弱です。器の水の代わりになる量ではなく、飲まない日に少し足す補助として考えてください。総合栄養食ではなく栄養補完食なので、ごはんの代わりにもなりません。
カリカリを食べない子でも、ミルク味のおやつとしてなら受け取りやすいのがこのゼリーのいいところです。夏の散歩から帰ってボトルに口をつけないとき、まず1本あげてみて、そのあと水を飲みに行くかを見る、という使い方が向いています。商品の成分はペットスエットゼリーの商品ページに載せています。
ぐったりしている日はゼリーで様子を見ずに、病院へ電話するのが先です。そのうえで、元気はあるのに暑い日の散歩のあとだけ水を飲まない子なら、7本入りを1箱置いておくと、帰宅後の最初の水分を自分で用意できます。
夏と留守番の日は、給水ボトル1本で足りるかを先に計算する

夏に長く散歩した日や長い留守番の日は、飲む量がボトルの容量を超えないかを先に計算しておきます。パフィは夏の長い散歩の日に350〜400mlを飲むので、400mlのボトル1本だとほぼ空になります。330mlのボトルなら足りません。
うちは散歩のときに散歩用の給水ボトルを持って出ていて、外でも少し飲ませています。帰ってからボトルの水位を見ると、夏の日は夕方の時点でかなり減っています。暑い日の部屋の温度と湿度の管理は小型犬の暑さ対策に書きました。
暑い日に家を空けるなら、水の入れ物をもう1つ増やすのがいちばん簡単です。電源のいらない給水器なら、コンセントの位置もコードをかじられる心配も気にせず置けます。パフィはパソコンのコードを時々かじるので、うちが候補にしているのも電源不要の2台です。電動の給水器も含めた選び方は犬の給水器は電源不要と電動どっちがいいかで比べています。
留守番の日の2つ目の水飲み場にできる電源不要の給水器
Pets Familyの自動給水器(550ml)

最大550mlの小さな重力式の給水器です。電源もフィルターもいらないので、買ったあとにかかるのは水道代だけになります。
電源のいらない給水器は受け皿から水がこぼれる、という声が多いタイプです。それなのにこの商品は、楽天の208件のうち★2以下が3件、率にすると1.4%しかありませんでした。その3件はどれも「受け皿がうまくはまらず水があふれた」という話です。同じ重力式のmodanicの14.8%と比べると、外れる割合が10分の1になります。詳しくはPets Family 550mlの商品ページに書きました。
550mlなら、夏の長い散歩の日にパフィが飲む400mlを入れても150mlの余裕があります。いつもの給水ボトルの横にこれを1台置いておけば、暑い日の留守番でも、帰るまで水が残っているかを気にしながら過ごさずに済みます。
modanicの自動給水器(2.8L)

タンク2.8Lの電源不要タイプです。5kgの小型犬なら、ふだんの量で10日分ほど入ります。多頭飼いの家や、週末に1泊ほど家を空けることがある家で候補に上がる容量です。
弱点ははっきりしていて、楽天の81件のうち20件が受け皿からの水こぼれに触れていました。★2以下は14.8%です。床にトイレマットやタオルを1枚敷ける場所なら困りませんが、フローリングに直置きするなら下に何か敷く前提で考えてください。容量と置き方の話はmodanic 2.8Lの商品ページにあります。
大型犬や2頭以上で1日の量が1Lを超える家なら、550mlではすぐ空になってしまいます。2.8Lあれば、朝に満タンにして出かけた日の夜でも、水の残りを数える必要はほとんどありません。
犬の水の量は、うちの子のふだんの量を知っておけば迷わない
犬の水の量は体重1kgあたり50〜60mlが目安で、フードの水分も含めた数字です。器から飲む量が目安より少なくても、半生やウェットのフードなら食事で補えていることが多く、体重1kgあたり90mlを超える日が続いたときが動物病院に相談する線になります。
いちばん頼りになるのは、計算式よりも「うちの子のふだんの量」です。パフィなら冬は200ml、ふだんは200〜250ml、夏の長い散歩の日は400ml。この幅を知っているから、少ない日も多い日も慌てずに済んでいます。
まだ測ったことがないなら、目盛りの付いたリッチェルのNウォーターノズルで1週間、朝の残りを読んでみてください。400mlまで読めるので、5kg前後の子なら夏の日まで1本で測れます。
- 価格
- 2,370円(税込)
- 単価
- 2,460円(ダークブラウン/アイボリー)
- メーカー
- リッチェル
- タイプ
- 室内用品








