「車の音、風の音、洗濯機の音。ちょっとした物音のたびに犬が吠えて困っている」という方に向けた記事です。うちのポメプー、パフィ(2歳・メス)も子犬の頃はまさにこのタイプで、北陸の冬に風が窓を揺らすたびに狂ったように吠えて、家族全員が振り回されていました。

先に結論をお伝えすると、物音吠えは叱って止めるものではなく、「吠える物音を減らす・隠す・慣らす」の3層で整えていくと、半年〜1年で気にならないレベルまで落ち着きます

実際うちは脱感作トレーニングを完璧にやれたわけではないのですが、それでも環境を変えるだけで夜の吠えがぐっと減りました。この記事では、パフィで実際に効いたこと、逆効果だった失敗も含めて、家庭でできる物音吠え対策を順番にお伝えします。

なぜ犬は物音に吠えるの?室内の生活音と外の環境音で分けて考える

犬が物音に吠えるのは、その音を「警戒すべきもの」「怖いもの」と感じているからです。多くは縄張りを守る本能や、音に慣れていない不安が原因で、生活音と外の環境音に分けると対策を考えやすくなります。

物音吠えと聞くと一括りにしがちですが、うちで観察していると吠える音は大きく2種類に分かれていました。室内で鳴る生活音と、家の外から聞こえてくる環境音です。性質が少し違うので、まず整理しておきます。

音の種類具体例犬の気持ち対策の中心
室内の生活音洗濯機、掃除機、チャイム、食器の音突然の大きな音にびっくり・警戒慣らす練習が効きやすい
外の環境音車、バイク、風、雷、除雪車、屋根の落雪縄張りへの侵入を警戒・正体不明で不安環境を変えて刺激を減らす

ペット保険のPS保険でも、犬の無駄吠えは「警戒している」「要求している」など必ず理由があり、原因に合った対処が大切だと行動診療科の獣医師が解説しています。物音吠えはこのうち警戒・恐怖タイプにあたるので、無視で治る要求吠えとはアプローチが変わってきます。吠えの全タイプを原因別に知りたい方は、犬の無駄吠えしつけ対策7選で6つのタイプを整理しているので、あわせて読んでみてください。

音に敏感な子は「社会化不足」が背景にあることも

物音にやたら敏感な子は、子犬の頃にいろいろな生活音を経験していないケースが多いです。うちのパフィがまさにそれで、お迎えが生後3ヶ月、しかも北陸の雪の時期でほとんど外に出せなかったため、生活音に慣れる機会をほとんど作れませんでした。この反省は記事の後半でくわしく書きます。

「音が止まっても吠え続ける」うちのパフィの物音吠え

「音が止まっても吠え続ける」うちのパフィの物音吠え

物音吠えのやっかいなところは、音が鳴った一瞬だけでなく、その後も興奮が続いて吠えやまない点にあります。パフィの場合、外の音に反応したあと部屋中を走り回りながら、音が消えても数分は吠え続けていました。

正直なところ、うちで一番きつかったのが、この「吠えのスイッチが入りっぱなしになる」状態でした。風がゴーッと窓を鳴らした瞬間にワンワン吠え始めて、その音がやんでもおさまらない。リビングのあっちこっちを走り回って、また別の物音に反応して、の繰り返し。北陸の冬は風だけじゃなく、除雪車のエンジン音や屋根からドサッと雪が落ちる音もあって、これらが夜中にも起きるんですよね。

特に困ったのが夜でした。1階で寝ていたパフィが深夜に外の物音で吠え出して、当時小1だった娘が「眠れない」と泣くように。一時は「ご近所にも申し訳ないし、このままで大丈夫かな」と本気で落ち込んだ時期もありました。同じように夜の物音吠えで参っている方、わかります。あれは本当に消耗します。

ただ、ここから紹介する対策を一つずつ試していくうちに、2歳になった今では夜の物音吠えはほぼなくなりました。完全にゼロではないけれど、家族が普通に眠れるレベルです。だから、今まさに渦中にいる方も、焦らず読み進めてもらえたらと思います。

物音吠え対策の全体像「減らす・隠す・慣らす」の3層で考える

物音吠えの対策は、

  1. 吠える物音を減らす
  2. 鳴っても気づかせない
  3. 音そのものに慣らす

という3層で考えると整理しやすいです。うちではこれを「減らす・隠す・慣らすの3層対策」と呼んで、できるところから手をつけました。

いきなり「音に慣らすトレーニングをしましょう」と言われても、毎日忙しいと続かないんですよね。うちもそうでした。そこで、効果が早く出やすくて手間の少ない順に並べたのがこの3層です。

やること効果が出る速さ手間
層1 減らす窓の目隠し・寝る場所の変更など環境調整早い(その日から)
層2 隠すホワイトノイズで物音をまぎれさせる早い
層3 慣らす音に少しずつ慣らす練習(脱感作)ゆっくり(数週間〜)

ポイントは、層1と層2で「今すぐの困りごと」を抑えながら、層3で根本的に慣らしていくという二段構えにすること。うちは層1と層2だけでも夜の吠えがかなり減って、家族の睡眠を先に守れたのが大きかったです。理想を追う前に、まず生活を立て直すのが現実的でした。それぞれ順番に見ていきます。

【減らす】吠える物音そのものを減らす環境づくり

【減らす】吠える物音そのものを減らす環境づくり

一番手っ取り早い物音吠え対策は、犬が反応する音や視覚の刺激を、環境を変えて物理的に減らすことです。トレーニングより先に、これだけで吠える回数がぐっと落ちることが多いです。

うちで効果があった環境調整を、効いた順に紹介します。

  1. 寝る場所を1階から2階の寝室に移した。外の物音が一番届きにくい部屋に寝床を移したところ、夜中の吠えが激減しました。うちでは飼い主と一緒に寝るようにしたら、安心感もあってさらに落ち着きました。
  2. 窓のそばに居場所を作らない・カーテンを閉める。外を歩く人や車が見えると、音と映像がセットで刺激になります。厚手のカーテンを下ろすだけで反応する回数が減りました。
  3. 雪や強風の日は早めに戸締まりして音を遮る。北陸の冬は風の音そのものが刺激なので、雨戸やカーテンで一枚壁を作るイメージです。

いぬのきもちでも、窓の外を警戒しがちな犬には窓に目隠しシートを貼ったり、窓に近づけさせない工夫が有効と紹介されています。うちの実感ともぴったり合っていました。

留守番中に外の物音で吠える場合も、考え方は同じです。サークルの位置を窓や玄関から離して、カーテンで囲うだけでも違います。留守番そのものの不安が混ざっているなら、犬の留守番は何時間まで犬の分離不安の症状と対策もあわせて見てもらえると、原因の切り分けがしやすいと思います。

【隠す】生活音をまぎれさせるホワイトノイズ活用

犬が物音に気づきにくくするには、一定の音を流して生活音をまぎれさせる「マスキング」が効果的です。テレビやラジオ、ホワイトノイズを小さく流しておくと、突発的な物音が目立たなくなって吠えのきっかけが減ります。

実はうちは、これを偶然見つけました。北陸の冬は乾燥するので加湿器をつけっぱなしにしているのですが、その「ゴー」という運転音が、ちょうどホワイトノイズの役割をしていたんです。加湿器をつけている夜のほうが、外の風の音への反応が明らかに少なかった。後から調べて「これはマスキング効果だったのか」と腑に落ちました。

いぬのきもちでも、テレビやラジオをつけっ放しにしておくと小さな物音が紛れて吠え防止に効果的と紹介されています。専用の機械がなくても、加湿器やサーキュレーター、つけっぱなしのラジオで代用できるのは助かります。

ただ、留守番中もずっと加湿器というわけにもいかないので、専用のホワイトノイズマシンも気になって調べました。うちで使ってみた機種の使い心地はホワイトノイズマシンLOHASTEN MC220のレビューにまとめています。物音吠えの「隠す」対策として一台あると、夜も留守番も同じ環境を作れるのが便利でした。

LOHASTEN MC220 ホワイトノイズマシン|犬の無駄吠え対策にも
LOHASTEN MC220 ホワイトノイズマシン|犬の無駄吠え対策にも
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価格
2,980円(税込)
単価
2,980円(税込・送料無料)
メーカー
LOHASTEN
タイプ
室内用品

注意点として、マスキングはあくまで「気づかせない」ための対策で、根本的に音へ慣れさせるものではありません。次の「慣らす」とセットで使うのがおすすめです。

【慣らす】物音に少しずつ慣らす練習のやり方

物音への根本対策は、犬が平気でいられる小さな音から少しずつ慣らしていく練習(脱感作と呼ばれます)です。吠えないギリギリの音量で聞かせ、落ち着いていられたらほめる、を繰り返して「この音は怖くない」と覚えてもらいます。

やり方の基本はこんな流れです。

  1. 吠える音を録音するか、音源を用意する(チャイム、雷、掃除機など)。
  2. 犬が反応しないくらい小さな音量で流す。吠えなければ成功です。
  3. 落ち着いていられたら、おやつをあげてほめる。「この音=いいことが起きる」と関連づけます。
  4. 数日かけて少しずつ音量を上げる。吠えたら音量を下げて前の段階に戻ります。
  5. 毎日10分ほど、3〜4週間続けると変化が出てきやすいです。

松波動物メディカルでも、小さな音から聞かせて徐々に音量を上げ、平常心でいられたらごほうびを与える方法が紹介されていて、考え方は同じです。

ここで正直に書いておきます。うちはこの音慣らしの練習を、最後までやり切れませんでした。録音した音を流す練習は何度か試したものの、共働きで毎日続けるのは思った以上に大変で。結局パフィが落ち着いたのは、前半で書いた環境調整とマスキング、それと一緒に寝て安心したこと、そして成長とともに性格が落ち着いたことの合わせ技でした。だから「脱感作が一番大事」と言い切るより、できる範囲で慣らしつつ、環境調整で生活を守るのが、忙しい家庭にはちょうどいいと思っています。完璧を目指さなくて大丈夫です。

吠え始めたらどうする?興奮を鎮めるクールダウン

吠え始めたらどうする?興奮を鎮めるクールダウン

物音で吠え始めてしまったときは、叱るより「興奮を鎮める」ことを優先します。うちでは「ハウス」の合図でサークルに入れて、落ち着くまで静かに待つ方法が一番効きました。

パフィは一度スイッチが入ると、声をかけても走り回って止まりません。そこで使っていたのが「ハウス」です。サークルに入ると視界が区切られて刺激が減るからか、しばらくすると自分から落ち着いてくれました。これは普段から「ハウス」をいい場所として教えておくのが前提で、罰として閉じ込めるのとは違います。叱る場所ではなく、クールダウンする安全基地として使うのがコツです。

吠えている最中は、こちらが大きな声を出したり慌てて動いたりしないことも大事でした。飼い主が騒ぐと、犬は「一緒に警戒してくれている」と受け取ってさらに興奮します。低い声で短く「ハウス」と促して、あとは静かに待つ。うちはこの対応に切り替えてから、吠えが長引かなくなりました。

物音吠えでやってはいけない3つの対応

よかれと思ってやった対応が、かえって物音吠えを悪化させてしまうことがあります。うちが実際にやって逆効果だった3つを共有します。

なだめる・抱っこして安心させようとする

これは僕が一番やってしまった失敗です。怖がって吠えるパフィがかわいそうで、「大丈夫だよ」となでたり抱っこしたりしていました。ところが犬からすると「怖がると、かまってもらえる」と学習してしまうんですよね。GREEN DOGでも、怯えたときに優しく声をかけたりなでたりするのは逆効果になると説明されています。怖がっているときこそ、飼い主は普段どおり落ち着いて過ごすのが正解でした。

大声で「うるさい!」と叱る

静かにしてほしくてつい叫んでしまいますが、犬には「飼い主も一緒に吠えている」と伝わることがあります。興奮を上乗せするだけなので、無言で対応するほうが早く落ち着きます。

吠え防止首輪に頼り切る

電気やスプレーが出る吠え防止首輪は、一時的に止まっても物音への不安そのものは消えません。むしろ不安が強い子では悪化することもあるので、使うとしても獣医師に相談してから、環境調整や慣らす練習とセットにするのが前提です。安易に首輪だけで解決しようとしないほうがいいです。

子犬のうちに「音の社会化」をしておくと後がラク

物音吠えを根本から防ぐ一番の近道は、子犬の社会化期(生後3〜16週ごろ)に、いろいろな生活音を「怖くないもの」として経験させておくことです。ここを通っておくと、後の苦労が大きく変わります。

パフィの物音吠えで半年以上苦しんだ一番の原因は、まさにここを逃したことでした。お迎えが生後3ヶ月、北陸の雪の時期で、しかもワクチンが終わるまで外に出せず、生活音に慣らす機会をほとんど作れなかったんです。今振り返ると、家の中だけでもできることはたくさんありました。

  • 掃除機や洗濯機を、子犬が小さいうちから普通に使って音に慣らす
  • チャイムの音を小さく聞かせて、鳴っても何も起きないと教える
  • 抱っこでいいので、外の車や人の行き交う環境を見せておく
  • ごはんや遊びの楽しい時間に、生活音がBGMのように鳴っている状態を作る

子犬の社会化全体の進め方は子犬の社会化はいつまでに、夜に物音で鳴く子犬への対応は子犬の夜鳴きはいつまでにまとめています。これから子犬を迎える方は、ぜひ先回りして音に慣らしてあげてください。過去の自分に一番言いたいことです。

物音吠えは「ゼロ」より「気にならないレベル」を目指す

物音吠えは「ゼロ」より「気にならないレベル」を目指す

最後に、この2年でうちが感じていることを書きます。物音吠えは、完全にゼロにしようとすると飼い主も犬も苦しくなります。犬にとって物音に反応するのはある程度自然なことなので、目指すのは「ゼロ」ではなく「家族が普通に暮らせる、気にならないレベル」くらいがちょうどいいです。

うちのパフィも、まず環境を変えて生活を守り、加湿器の音でまぎらわせ、できる範囲で慣らして、「ハウス」でクールダウンする。この積み重ねで、半年苦しんだ物音吠えが2歳の今はほとんど気にならなくなりました。一気に全部やらなくて大丈夫です。今日できそうな「減らす」「隠す」から一つ手をつけてみてください。吠えに悩む夜が少しでも早く減りますように。吠えの原因が物音以外にもありそうなときは、犬の無駄吠えしつけ対策7選でタイプ別に見直すと、次の一手が見つかると思います。

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