「共働きでうちは犬を飼えるんだろうか」「日中ずっと留守番させたら、かわいそうじゃないかな」。犬を迎えたい気持ちはあるのに、この不安で足が止まっている人はとても多いと思います。僕もまさにそうでした。
結論からお伝えすると、共働きでも犬は飼えます。 我が家は夫婦ともに会社を経営している共働き家庭で、2024年1月にポメプー(ポメラニアン×トイプードルのミックス犬)のパフィを迎え、2年以上一緒に暮らしています。とはいえ「誰でも・どんな環境でも大丈夫」とは言いません。飼えるかどうかは、いくつかの条件と工夫で決まるんです。この記事では、最長8時間の留守番でわかった現実、さみしくない環境のつくり方、少しずつ慣らす「留守番ならし4ステップ」まで、きれいごとなしの本音で解説します。
共働きで犬は飼える?結論と「飼える家の5条件」

共働きで犬は飼えます。ただし「留守番の環境」「迎えた後の時間」「お金」「協力者」「心の準備」の5つがそろっているかが分かれ目です。 共働きそのものより、この条件を満たせるかどうかが現実的なポイントになります。
我が家を振り返って「これがそろっていたから何とかなった」と思える条件を、チェック表にまとめました。
| 条件 | 具体的に確認したいこと |
|---|---|
| 留守番の環境 | 安全なスペース・温度管理・見守り手段があるか |
| 迎えた後の時間 | 朝晩のお世話と、休日にしっかり向き合えるか |
| お金 | 初期費用と月々の維持費を続けて出せるか |
| 協力者 | 家族や預け先など、困ったとき頼れる先が複数あるか |
| 心の準備 | 10年以上、生活を犬中心に少し変える覚悟があるか |
特に見落としがちなのが、「協力者」を複数持っておくことです。我が家は夫婦と子ども2人(小学6年生の息子と小学1年生の娘)の4人家族で、誰かが家にいる時間をつくりやすいのが大きな支えでした。一人だけで抱え込まないことが、共働きで犬と暮らすコツだと感じています。
「時間」と「お金」も、共働きならではのリアルがあります。時間については、平日にまとまって遊べなくても、朝晩のお世話と帰宅後のスキンシップ、そして休日にしっかり向き合えるかが現実的な基準。我が家も平日は短時間でも、休日は散歩や昼寝を一緒に楽しんでいます。お金については、共働きで世帯収入に余裕がある一方、留守番対策のグッズやドッグホテル代など「共働きだからこそかかる費用」も出てきます。きれいごとではなく、続けて払えるかを最初に見ておくと安心です。
逆に言えば、共働きでも条件を整えれば十分に飼えるということ。次の章から、一番気になる留守番の現実を具体的に見ていきましょう。お金の面が不安な方は、先に犬の飼育費用は月額いくらかに目を通しておくと安心です。
共働き家庭の留守番は何時間まで?うちの最長8時間のリアル
成犬の留守番は一般的に4〜6時間が目安とされ、長くても8時間程度が一つの限界ラインです。 ただしこれはあくまで目安で、年齢や慣れ、その子の性格によって大きく変わります。
まず、よく言われる年齢別の目安を整理しておきますね。
| 犬の状態 | 留守番時間の目安 | 共働きで気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 子犬(生後6か月未満) | 3時間以内が理想 | トイレ間隔が短く、こまめなケアが必要 |
| 成犬(1〜7歳) | 6〜8時間が一つの限界 | 退屈しのぎと見守りで負担を減らす |
| シニア犬(7歳以上) | 4時間程度を目安に | 体調変化に早く気づける工夫を |
ここからが我が家のリアルです。パフィの留守番、これまでの最長は8時間ほど。 夫婦の仕事が重なり、子どもたちも帰りが遅くなった日でした。ペットカメラで様子を見ていたのですが、ずっと吠えていて本当にかわいそうで。帰宅すると、フードは散らかされ、トイレ以外の場所でうんちをして、ベッドを噛みちぎった形跡がありました。正直、ゾッとしましたね。
普段の留守番は数時間で収まることがほとんどで、そのときはペットカメラを見てもゆっくり寝ています。だからこそ8時間の日との差は歴然でした。 「いつもは平気だから今日も大丈夫だろう」という油断がいちばん危ない。共働きだと急な残業や予定の重なりで、想定外に留守番が伸びることがありますよね。我が家はこの一件以来、長くなりそうな日は早めに預け先を考えるようになりました。
この経験から痛感したのは、「目安の時間」と「うちの子が平気な時間」は別物だということ。8時間は数字の上では成犬の範囲内でも、パフィにとっては明らかに長すぎました。だから僕は、共働きでも「できるだけ留守番は6時間以内に収める」を目標にしています。どうしても長くなる日は、後述する対策をフル動員する。留守番時間の目安と対策は犬の留守番は何時間まででさらに詳しく掘り下げているので、あわせて読んでみてください。
留守番中に犬が感じるストレスと問題行動

犬は人と関わることを好む社会的な動物なので、長時間ひとりにされると不安やさみしさからストレスを感じ、問題行動につながることがあります。 これを理解しておくと、留守番対策の意味がぐっと腑に落ちます。
留守番中の不安が強く出る状態は、獣医行動学では分離不安(separation anxiety)として知られています。代表的なサインはこんな感じです。
- 出かけた後にずっと吠える・遠吠えする
- トイレを失敗する、わざと粗相をする
- 家具やベッドを噛む・破壊する
- 帰宅時に興奮しすぎてお漏らしする
うちのパフィも、1歳になる少し前まではこうしたサインが出ていました。お留守番中にサークルの壁につかまり立ちして泣き叫んだり、玄関に向かって吠えたり、帰宅すると嬉しさのあまりお漏らししたり。ちょっとした買い物の1時間ですら、ペットカメラを見るとサークルの中をうろうろして、柵に向かってピョンピョン飛びついていました。遠吠えする姿を見るのは、飼い主としてかなり胸が痛みましたね。
正直に告白すると、当時はパフィより僕のほうが不安だったかもしれません。外出先でペットカメラばかり見て、「寂しい思いをさせてないかな」とそわそわ。犬の分離不安より、飼い主の分離不安のほうが先に出ることもあるんだなと、今では笑い話です。ちなみに我が家は深刻に悩むほどではなかったので、動物病院で分離不安の相談まではしていません。
ただ、ここで大事なのは「だから共働きはダメ」ではありません。これらの多くは、環境づくりと慣らし方で和らげられるんです。実際パフィは今、ちょっとした外出ならずっと昼寝をしているくらい落ち着きました。次の章から、その具体策をお話しします。
共働きでも犬がさみしくない留守番環境のつくり方
留守番環境は「安全なスペース」「退屈しのぎ」「見守り」の3つを押さえれば、共働きでも犬の負担をぐっと減らせます。 我が家ではこれを「共働き留守番3点セット」と呼んで実践しています。
| 要素 | 我が家の具体策 |
|---|---|
| 安全なスペース | サークルで安全を確保しつつ、温度を一定に保つ |
| 退屈しのぎ | おやつが少しずつ出るボールで集中をつくる |
| 見守り | ペットカメラで外出先からいつでも様子を確認 |
1つ目は安全なスペース。 うちはリビング(18畳ほど)に1畳半ほどのサークルを置き、中にベッド・トイレ・水飲み場をまとめています。普段は入り口を開放していて、パフィは水を飲んだりトイレに行くときに自分で出入り。長めの外出時は、誤飲やいたずら防止のためにサークルに入れています。水は壁掛けの給水ボトルで、朝に満タンにしておけば1日分として安心。そして共働き家庭で意外と大事なのが温度管理。リビングのエアコンは年中つけっぱなしで、冬でも22度を下回らない設定にしています。誰もいない家で暑さ寒さに耐えさせないための、ゆずれないルールです。
2つ目は退屈しのぎ。 パフィのお気に入りは、転がすと小さな穴からおやつが少しずつ出てくるボール型のおもちゃ。ドギーマンの「考えて遊ぶ!学びのたまご」を難易度2〜3で使っていて、出かけた直後の30分から1時間は、これに夢中になってくれます。 留守番のいちばんさみしい「出だし」を乗り切れるのが大きいんですよね。
3つ目は見守り。 サークルの横にペットカメラを1台設置していて、外出先からスマホで様子を確認できます。正直に言うと、これは犬のためというより「飼い主の安心装置」。心配でつい何度も見てしまいます。マイク付きのモデルなら声をかけられるものもあって、留守番中の様子がわかるだけで気持ちがずいぶん楽になりますよ。
今使っているカメラは元々子ども用に買ったもので、数年経って古くなってきたので買い替えを検討中です。置き型より、壁や天井にしっかり据え付けられるタイプだと画角を広く取れて、サークル全体を見渡せそうだなと考えています。選ぶときは画角の広さ・録画機能・スマホアプリの使いやすさがチェックポイント。種類が多すぎて選ぶのは大変ですが、留守番が多い共働き家庭ほど投資する価値があると感じています。留守番グッズはポメプーの飼い始めに必要なもの15選でも紹介しています。
「留守番ならし4ステップ」で少しずつ慣らす

留守番は、いきなり長時間させるのではなく、短い時間から少しずつ慣らすのが成功の鍵です。 我が家が実践した手順を「留守番ならし4ステップ」としてまとめました。これは迎えた初日から始められます。
- 数分の留守番から始める:まずは別の部屋に行く、玄関を出てすぐ戻るなど、数分の「疑似留守番」から。落ち着いていられたら褒めます。
- コンビニまでの短時間に伸ばす:10〜15分ほど、近所に出かける程度の不在を経験させます。帰宅して問題なければ次へ。
- 1時間程度の買い物に挑戦:パフィはこのあたりから、ボールのおやつに集中して待てるようになりました。
- 数時間の留守番に広げる:半日仕事などの数時間へ。ここまで来れば、共働きの日常的な留守番に対応できます。
ポイントは、焦らず順番に進めること。パフィもこの4ステップで、少しずつ「ひとりでも大丈夫」を覚えていきました。そしてもう一つ、出かけるときのコツがあります。それは「そっと出かける」こと。 出発前に「行ってくるね!」と大げさに構うと、かえって不安をあおると聞いてからは、声をかけずにさっと出るようにしています。これが分離不安の予防にしっかり効いている実感があります。
帰宅時にも工夫を。パフィは尻尾が取れるかと思うほど興奮して飛びついてくるのですが、興奮したまま出すのは良くないと聞き、一度「おすわり」「待て」をさせて、落ち着いてから「よし」でサークルを開けるようにしました。最初は全然できませんでしたが、今では興奮しながらもちゃんと待てるように。お漏らしもなくなりました。
共働き×子どもありはむしろ有利?我が家の在宅リズム
意外に思われるかもしれませんが、共働きでも家族が多いと「完全にひとりになる時間」が短くなり、犬にとってはむしろ有利に働くことがあります。 これは2年暮らして気づいた、我が家ならではの発見です。
夫婦ともに会社経営という働き方のおかげで、自宅で作業する日も多く、リビングに仕事スペースを設けています。 遊んでいるわけではないけれど、同じ空間にずっといる時間は長い。パフィは僕が仕事をしている足元で寝たり、時々様子を見に来たり。出社と在宅が混ざるので、一日中ひとり、という日はそう多くないんです。
子どもたちの存在も大きいです。学校から小6の息子と小1の娘が帰ってくれば、家は一気ににぎやかに。「誰かが時間差で家にいる」状態をつくりやすいのは、人数の多い家庭の強みだと思います。
そしてもう一つ、これは本当に意外だった話。夜にパフィと一緒に寝るようになってから、日中の留守番も落ち着いたんです。北陸の冬は夜に風が強く、外の物音で吠えることが増えたので2階に連れて行って一緒に寝るようにしたところ、なぜか日中の留守番中もおとなしく昼寝をするように。夜の安心感が昼の落ち着きにつながっているのかもしれません。犬との信頼関係は、留守番の時間だけでなく、一緒にいる時間の質で育つのだなと実感しています。
散歩も、共働きなりのやりくりで続けています。基本は夕方の1回で、週に3〜5日ほど。1回あたり20〜30分、2〜3kmをゆっくり歩く程度です。仕事に行き詰まったタイミングで気分転換に一緒に歩くことも多くて、これがパフィにも僕にもいいリフレッシュになっているんですよね。毎日完璧に2回、と気負わなくても大丈夫。平日の散歩の考え方は犬の散歩は1日何分かも参考にしてみてください。
生活そのものも、迎えてから少し変わりました。パフィを飼うまでは隣の県まで気軽に買い物に行っていましたが、今は遠出を控えるように。遠くへ行くときは犬も一緒に行ける場所を選ぶか、ドッグホテルに預けます。この「生活を少し犬に合わせる」覚悟こそ、共働きで飼ううえで一番大事な準備かもしれません。
ただし共働き特有の盲点も。在宅日と出社日が混ざると、留守番のリズムが不規則になりやすいんです。毎日同じ時間に出かける家庭より、犬が生活パターンを読みにくい面はあるかもしれません。だからこそ、上の「ならし」と「環境づくり」がより大切になります。
共働きで犬を飼うのはかわいそう?当事者の本音

「共働きで犬を飼うのはかわいそう」という声を見て、迎える前にためらう人は本当に多いです。 共働きで実際に飼っている当事者として、ここは正直な気持ちを書かせてください。
たしかに、長時間の留守番が犬にストレスを与えうるのは事実です。その心配はもっともだし、心配できること自体が、犬を大切に思っている証拠だと思います。僕もペットカメラで遠吠えするパフィを見て、何度も「ごめんね」とつぶやいてきました。
でも、「かわいそうかどうか」は、共働きか専業かではなく、迎えた後にどれだけ工夫し向き合うかで決まるというのが、僕の本音です。留守番の環境を整え、少しずつ慣らし、帰ってきたらたっぷり遊ぶ。休日は一緒に散歩や昼寝をする。そうやって積み重ねた時間で、パフィは今、安心して暮らしてくれています。
大事なのは、共働きという働き方を理由に犬をあきらめることでも、逆に何も準備せず迎えることでもありません。「うちの生活で、この子を幸せにできるか」を真剣に考えたうえで迎えること。 そこさえ覚悟できれば、共働きは決して引け目に感じる条件ではないと、胸を張って言えます。
共働きでも飼いやすい犬種の選び方
共働きで飼いやすい犬種を選ぶなら、「留守番への適応」「吠えにくさ」「運動量」「お手入れの手間」の4つの視点で見るのがおすすめです。 特定の犬種名で選ぶより、この視点で自分の生活に合うかを考えるほうが失敗しません。
| 視点 | チェックしたいポイント |
|---|---|
| 留守番への適応 | 独立心があり、ひとりの時間も落ち着けるか |
| 吠えにくさ | 集合住宅や近隣への配慮が必要か |
| 運動量 | 平日の散歩時間を確保できる運動量か |
| お手入れの手間 | トリミングやブラッシングの頻度に対応できるか |
うちのパフィはポメプーですが、留守番への適応や吠えにくさという点では、正直そこまで「留守番向き」のタイプではありません。 物音に敏感でよく吠えるし、子犬期は分離不安のサインも出ました。それでも環境と慣らしで十分に暮らせています。つまり「留守番が得意な犬種でないと飼えない」わけではないということ。犬種選びはあくまで出発点で、最後は迎えた後の工夫しだいです。
犬種ごとの飼いやすさを具体的に比較したい方は、初心者に飼いやすい犬種10選に5つの基準でまとめているので、犬種選びの参考にしてください。
共働きで犬と暮らすために、いちばん大切なこと
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に2年暮らした今の結論を。共働きで犬は飼えます。でも「飼える」と「幸せにできる」は別物だと、僕は思っています。
最長8時間の留守番で暴れた形跡を見たときの胸の痛み、ペットカメラ越しの遠吠え、それでも段階的に慣らして落ち着いてくれたパフィ。この2年は、試行錯誤の連続でした。共働きという働き方は、犬を飼える・飼えないを決める絶対条件ではありません。 決め手になるのは、留守番の環境を整え、少しずつ慣らし、一緒にいる時間を大切にする——その積み重ねです。
迎える決心がついたら、次は具体的な準備です。生活全体で飼えるかをもう一度確かめたいなら一人暮らしで犬は飼えるかの5条件も参考になりますし、初日にかかるお金は犬の飼い始めの初期費用に、平日の散歩のやりくりは犬の散歩は1日何分かにまとめています。そして留守番中の万が一に備えて、ペット保険の検討もお忘れなく。
共働きでも、犬との暮らしは本当に豊かです。不安を一つずつ準備に変えて、ぜひその一歩を踏み出してくださいね。






