帰省や旅行、引っ越しのたびに「犬の移動は飛行機と新幹線、どっちがいいんだろう」と悩む方は多いと思います。うちはポメプーのパフィ(2歳・5.12kg)と暮らしていて、正直にお話しすると飛行機にも新幹線にも乗せたことがありません。遠出のときは車か、ペットホテルに預けるかの二択でやってきました。

それでも、いざという時のために飛行機と新幹線のルールはひと通り調べてきました。この記事では、料金・体重制限・犬種の制限・飼い主が一緒にいられるかを正確に比較したうえで、なぜ我が家がいまも車を選んでいるのかという本音まで包み隠さず書いていきます。読み終えるころには、自分の愛犬にはどの移動手段が合っているか、判断の物差しが手に入るはずです。

新幹線は足元に同伴で290円、飛行機は別室で預ける

犬は飛行機にも新幹線にも乗れます。ただし扱いは正反対です。新幹線は客室にキャリーごと持ち込んで足元に同伴でき、料金は1匹290円。一方の飛行機(国内線)は犬だけを預け入れか貨物として別室にあずける形で、客室には連れて入れません。

この「飼い主と一緒の空間にいられるかどうか」が、2つの移動手段のいちばん大きな違いです。新幹線はキャリーの中とはいえ、ずっと足元にいてくれるので、すぐ様子を見られます。飛行機は出発前にカウンターで預けてしまうので、到着して受け取るまで顔を見られません。

うちのパフィは知らない音や知らない人に過敏で、留守番中でもひとりだと不安そうにすることがあります。この子を別室に預ける飛行機は、正直ハードルが高いなと感じています。逆に、飼い主がそばにいれば落ち着くタイプの子なら、新幹線は相性がいい移動手段だと思います。

速さなら飛行機、安さと安心感なら新幹線という住み分けです

【比較表】犬の飛行機移動と新幹線移動はどう違う?

飛行機と新幹線は、料金・時間・制限のどれを取っても性格が違います。速さなら飛行機、安さと安心感なら新幹線というのが大まかな住み分けです。まずは全体像を表で見てみてください。

比較項目新幹線飛行機(国内線)
料金(1匹)290円(手回り品)4,400〜6,600円(ANA・JAL/区間による)
飼い主と一緒にいられるかいられる(客室の足元)いられない(預け入れ・貨物で別室)
体重・サイズ犬とケース込み10kg以内・3辺の合計120cm以内受託手荷物・貨物なら中型〜大型も可
犬種の制限なしあり(短頭種は夏季の預かり中止など)
移動時間の傾向長め(例:東京〜広い距離で数時間)短め(飛行時間は1〜2時間台)
予約・手続き当日、駅の窓口できっぷを購入事前予約+当日1時間前に手続き

料金だけ見ると、新幹線290円と飛行機6,600円では20倍以上の差があります。ただし飛行機は移動時間が短く、新幹線では現実的でない遠距離も一気に運べます。料金の安さだけで決めず、移動距離と愛犬の体格・性格をあわせて考えるのがおすすめです。

数字は各社のルール改定で変わります。たとえばANA国内線のペット料金は2026年5月19日以降、4,400円・6,600円に改定されています(ANA公式・ペットをお連れのお客様)。実際に乗せる前には、必ず公式の最新情報を確認してください。

新幹線は手回り品の扱いで、当日290円のきっぷを買う

新幹線に犬を乗せるときは、犬は「手回り品」という荷物の扱いになります。犬とケースを合わせて10kg以内・3辺の合計120cm以内のキャリーに全身を収め、当日に駅の窓口で290円のきっぷを買えば、客室に持ち込めます。予約はいらず、乗りたい日に窓口で手続きできます。

手順はシンプルです。日常でキャリーに慣れていれば、当日に困ることはあまりありません。

  1. 乗車する日に、駅の窓口やみどりの窓口で手回り品のきっぷ(290円)を購入する
  2. 全身がすっぽり隠れる、ふたがきちんと閉まるキャリーに犬を入れる(犬とケース込みで10kg以内・3辺の合計120cm以内)
  3. 自分の足元か膝の上にキャリーを置く。座席を犬用に確保したり、車内でキャリーから出したりはしない
  4. 揺れや混雑で落ち着かないときは、デッキで様子を見たり水分を与えたりして調整する

注意したいのが、車内ではキャリーから出してはいけないという点です。抱っこもNGで、降りるまでキャリーの中で過ごしてもらいます。ペットカートを使っている場合、ホームや車内ではカート部分を畳んでキャリーとして持つことになります。うちが使っている3way分離のペットカートも、こういう場面では「カートを畳んでキャリーにする」運用が前提になるなと、調べていて気づきました。

その3way分離というのがMILA&LOUISのTC-747JCK02です。キャリー部分が台車から外れるので、新幹線のように「カートのままでは持ち込めない」場面でそのままキャリーとして使えます。分離できるかどうかは、買うときに見落としやすいところです。

かごを外せるカートと外せないカートの違いは、小型犬のペットカートおすすめ16選で、電車・車・店のどこで使うかに分けて比べています。

混雑する繁忙期やラッシュ時は、持ち込み自体を断られることもあります。吠え声や抜け毛で他の乗客からクレームが入ると乗車できないケースもあるので、新幹線は「準備が9割」と考えておくと安心です。

飛行機は客室に同伴できず、1区間4,400〜6,600円

飛行機(国内線)に犬を乗せるときは、犬を受託手荷物または貨物として預け入れます。ANAもJALも客室への同伴はできず、専用のスペースで運ぶ形です。料金は1区間1ケースあたり4,400〜6,600円が目安で、区間によって変わります。

預けるまでの流れは新幹線より準備が多めです。健康面の条件もあるので、早めに確認しておきましょう。

  1. 予約時に「ペット同伴」を各航空会社へ申し込む(ANA・JALとも事前手続きが必要)
  2. 狂犬病ワクチンを1年以内に接種しておく。当日の体調も整える
  3. IATA(国際航空運送協会)の基準を満たすクレート(ハードタイプのケージ)を用意する。航空会社の貸し出しを使う方法もある
  4. 当日は出発の1時間前を目安にカウンターで預ける。預けたあとは到着まで食事をあげられないので、食事は事前に済ませる

特に気をつけたいのが短頭種への配慮です。ANA国内線では、毎年5月1日〜10月31日の夏季期間、ブルドッグ・フレンチブルドッグ・シーズー・パグなどの短頭種の預かりを中止しています(ANA公式)。短頭種は呼吸器が弱く、暑さや気圧の変化に弱いためです。

パフィはポメプーで短頭種ではありません。それでも暑さには弱い子なので、もし飛行機に乗せるなら夏は避けたいなと思っています。短頭種でなくても、暑さや音に敏感な子は、別室に長時間あずける飛行機が体に負担になりやすい点は頭に入れておきたいところです。

犬とキャリーで10kg以内に収まるかが最初の分かれ目

結局どっちを選ぶ?犬のタイプ別の選び方

どちらが正解かは犬によって変わります。料金や時間で決める前に、愛犬の体格と性格に合うかを確認するのが先です。我が家が移動手段を考えるときに使っている「移動手段えらび4チェック」を紹介します。

  1. 体重×キャリー: 犬とキャリーを合わせて10kg以内に収まるか。布キャリーでも2〜3kgあるので、5kg前後の子はギリギリのことが多い
  2. 犬種・暑さ耐性: 短頭種か、暑さに弱くないか。当てはまるなら飛行機の夏季は避ける
  3. 飼い主と離れて平気か: 別室で過ごせる子か。分離不安や音過敏の子は新幹線・車が無難
  4. 距離と所要時間: 数時間で着く距離か、半日がかりか。遠距離は飛行機、近〜中距離は新幹線が現実的

このうち③が我が家のいちばんの分かれ目でした。パフィは飼い主の姿が見えないと不安になるタイプなので、別室に預ける飛行機はまだ選べていません。

ちなみにパフィの体重は直近の計測で5.12kg(2026年4月・動物病院で測定)。布キャリーを足すと8〜9kgくらいになり、新幹線の10kg制限は「ギリギリ通るけれど油断はできない」ラインです。実際に自分の子の体重で計算してみると、制限がぐっと身近に感じられると思います。

8〜9kgを駅まで肩で運ぶのがきついなら、運ぶ道具と持ち込む道具を分ける手があります。ペットパラダイスのsmooca miniは本体とコットが分離するカートで、駅まではカートで押して、改札から先はコットだけを持つ形にできます。幅44cmは、改札を広い方ではなく普通のところで通れた幅です。車内に持ち込めるのは手回り品の規格に収まるケースだけなので、まず耐荷重10kgに自分の子が収まるかを見てください。

ペットパラダイス ペットカート smooca mini
ペットパラダイス ペットカート smooca mini
★★★★★ 4.46 (69件)
販売累計12,000台、耐荷重10kgの分離型ペットカートです。W44cmで駅の改札をそのまま通れる軽さが評価されていますが、楽天69件を全件読むと★3以下6件のうち4件が前輪の話でした。タイルやビニールの床で前輪が滑る、横を向く。軽さの裏側を先に知ってから選んでください。
価格
34,900円(税込)
単価
35,780円・1年保証・耐荷重10kg
メーカー
ペットパラダイス
タイプ
お出かけ・散歩グッズ

重さの余裕は、キャリー自体を軽くしても作れます。ANZUDOG のデニムスリングはSMサイズでバッグが900g(ベージュ・カーキの生地なら720g)。パフィの5.12kgを足しても約6.0kgで、3辺の合計は84cmです。上のメッシュを巾着のように絞れば、頭まで中に収まります。ネットで口を絞る布のバッグが「動物専用のケース」として扱われるかは駅の判断なので、初めて乗る日は窓口で見せて確かめてください。10kgまで4kg近く残せるので、改札の前で体重の数字を気にせずに済みます。

ANZUDOG デニムスリング
ANZUDOG デニムスリング
★★★★★ 4.56 (588件)
底板とクッション入りのデニムスリング。耐荷重は8kgですが、店は「サイズは体重ではなく体長や身幅で選んで」と書いています。S・SM・Mの寸法と重さを1つの表に並べ、楽天S/SMの588件(★4.56)とMの312件(★4.51)から、5kg前後の子がどのサイズに収まっているかを拾いました。
価格
5,680円(税込)
単価
5,680円〜5,880円 S・SM・M 耐荷重8kg 底板クッション付き
メーカー
株式会社クリエイティブインフィニティ
タイプ
お出かけ・散歩グッズ

市販のキャリーバッグ9点で、3辺の合計と本体の重さを計算してみると、120cmを超えるのは1点だけでした。どれが収まるかは電車の条件に収まるキャリーバッグの比較で一覧にしています。

キャリーではなくスリングで乗りたい場合、口を閉じられるのは13点中7点でした。口を閉じられる犬のスリングと電車の条件に、閉じ方と肩紐の長さで分けた表を載せています。

キャリー慣れ、トイレ、水分の3つを出発前に整える

犬の移動でいちばん大事なのは、当日より前の準備です。普段からキャリーに慣れていない子をぶっつけ本番で乗せると、吠えたり暴れたりして本人も飼い主もつらくなります。最低でも、キャリー慣れ・トイレ・水分の3つは出発前に整えておきたいところです。

うちのパフィは、家のチャイムや車の音、風の音にも過敏に反応して吠えてしまう子です。だからこそ、移動の前にはキャリーの中を「安心できる場所」にしておくことを意識しています。具体的には、家の中でキャリーの扉を開けっぱなしにして、自分から入って昼寝するくらいまで慣らしておく、という方法です。

ブラッシングや歯磨きを毎日のルーティンにして慣らしてきた経験から言うと、犬は短時間から少しずつが鉄則です。いきなり長時間ではなく、家の中で数分→近所→短い移動、と段階を踏むとうまくいきます。出発前にはトイレを済ませ、こまめに水分をとれるよう準備しておくと、車内でも新幹線でも落ち着いてくれます。日常の物音吠えが激しい子は、移動の前に犬が物音で吠えるときの対策にも目を通しておくと安心です。

うちの移動はいつも車で、パフィが知らない環境に弱いからです

我が家がいまも「車」を選んでいる正直な理由

ここまで飛行機と新幹線を比較してきましたが、結局のところ我が家の移動はいつも車です。理由はシンプルで、パフィが音や知らない環境に弱く、飼い主のそばにいるのがいちばん落ち着くからです。車なら家族みんなで一緒に移動できて、休憩も自由にとれます。

うちの乗せ方は、キャリーに入れて後部座席にシートベルトで固定するスタイルです。出かけるときはたいてい子供たちも一緒なので、後部座席でパフィを見てもらっています。助手席用のドッグシートも買ったのですが、付けたり外したりが面倒で結局使わなくなりました。

ありがたいことにパフィは車酔いをしません。1時間くらいの移動ではなんともなく、キャリーの中で普通に寝ています。この前は2時間近い長距離になったのですが、それでも問題なし。ただトイレが心配なので、パーキングエリアや道の駅に寄って軽く散歩させるようにしています。

最初から車が平気だったわけではありません。子犬の頃は落ち着きがなく、キャリーから脱走しようとしたり、ちょっとした揺れで吠えたり、クーンと可哀想な声を出したりしていました。それでも、毎月のトリミングサロンや30分ほどかかるドッグランへ車で通ううちに、自然と慣れてくれました。

ひとつヒヤリとした失敗があります。キャリーをシートベルトで固定していても、前の車が急に止まって急ブレーキを踏んだとき、キャリーがズレて落ちかけたんです。ちょうど天面を開けていたので「飛び出すんじゃないか」と焦りました。なんとか無事でしたが、それ以来、長距離移動中に天面を開けるときは子供がしっかり抱えるようにしています。固定していても油断は禁物だと痛感した出来事でした。

車で運ぶなら、シートベルトで固定できる形かどうかだけは外さないでください。それでもズレるので、天面を開ける時間は短く。

キャリーより座席に固定しやすい寝床を探すなら、車に固定するドライブベッドの選び方で、置く場所とサイズの決め方を整理しました。

連れて行けないなら、無理に乗せず預ける手を持っておく

愛犬を連れて行けない遠出のときは、無理に乗せず預ける選択肢を最初から持っておくと気持ちが楽になります。我が家は2〜3ヶ月に1回くらいのペースで泊まりの外出があり、そのときはペットホテルにお願いしています。

うちが使っているペットホテルは1泊あたり15,000〜20,000円ほどで、宿泊に散歩や爪切りもつけてもらえます。なるべく長期にならないよう1泊で帰るようにしていますが、慣れた施設に預けられる安心感は大きいです。料金は安くありませんが、移動が苦手な子を無理に飛行機や新幹線に乗せるストレスと比べたら、納得できる出費だと感じています。

ほかにも、自宅に来てくれるペットシッターや、短時間なら留守番という手もあります。どのくらいの時間なら平気か、何時間で不安が出るかは子によって違うので、普段の様子から見極めておくのが大事です。留守番に慣らすコツは犬の留守番は何時間まで大丈夫かでも触れています。飛行機で別室に預けるのが不安な子は、そもそも犬の分離不安の傾向がないか、移動を考えるタイミングで一度振り返っておくといいと思います。

犬の移動手段は「乗れる」より「その子に合うか」で決める

犬は飛行機にも新幹線にも乗れます。新幹線は290円で足元に同伴でき、飛行機は短時間で遠距離を運べる。どちらにもいいところがあります。それでも忘れたくないのは、「乗れる」と「その子にとって乗せていい」は別だということです。

我が家のパフィは、ルール上は新幹線にも乗れるサイズです。でも音に過敏で飼い主から離れると不安になる性格を考えて、いまは車を選んでいます。これはどちらが正しいという話ではなく、その子の体格と性格に合わせた判断です。

この記事の「移動手段えらび4チェック」を物差しにして、料金や時間だけでなく、愛犬の体重・犬種・性格まで含めて選んでもらえたらうれしいです。まずは普段の短い移動でキャリー慣れから始めて、少しずつお出かけの世界を広げていきましょう。