商品について
ピンが回るから、引っかからない。SHOW TECHのグルーミングレーキがいちばん大きく打ち出しているのは、そこです。
ステンレスのピンが1列に並んだ熊手型のブラシで、1本1本のピンが根元で回転し、体に押し当てると引っ込む作りになっています。メーカーの説明は「輪郭に合わせてピンが伸縮・回転するため、毛の絡まり、引っかかりを防ぐ」。
本当にそうなのか。MとLのレビュー27件を全部読んで、犬が痛がったかどうかを1件ずつ数えました。痛がった・嫌がったと書いた人は0件。痛がらない・嫌がらないと書いた人は13件。 主張はレビューでそのまま裏付けられていました。
ただし、27件の中に1件だけ、この商品の性格をいちばんよく表している★2があります。
27件で「痛がった」は0件、「痛がらない」は13件
まずは数えた結果です。
| 書かれていた内容 | M(16件) | L(11件) |
|---|---|---|
| 痛がらない・嫌がらない | 6件 | 7件 |
| 痛がった・嫌がった | 0件 | 0件 |
| 思ったより取れない | 3件 | 2件 |
痛くない理由を、飼い主さんが自分の目で確かめて書いています。
ブラシの先端は丸くなっていて、身体に沿うように引っ込むようになっているため痛くなく、いいみたいです。毛もちゃんと取れます。
先に丸みがあり、ブラシを充てると引っ込むのでいやがらずにブラッシングをさせてくれます。いつもは怒るのですが大丈夫そうです。
ピン先が丸いこと、押すと引っ込むこと。メーカーの画像で説明されている2点が、そのまま飼い主の言葉で出てきます。ドッグショー用品を会場で買っていた、という人は「他社の熊手の様なタイプですと地肌への負担が強かったり絡まった毛を引っ張って抜いてしまったりする」と書いていて、比べる相手がはっきりしていました。
寒冷地で番犬をしているグレートピレニーズの飼い主さんのレビューは、読んでいて思わず笑ってしまいました。
冬はかきわけてもかきわけても肌が見えません。が、どうでしょう!こちらのレーキをサッと撫でただけでフワッフワ。2日目の今日は肌が見えました…感動しました。しかも全く嫌がりません。いつもコーム以外は「ヤメロ」って言うんです…
引っかからないから、毛玉も素通りする
ここが★2の中身です。Lを買った人が、回転ピンの長所と短所を1本の文章で書いています。
ピンが回るので毛玉、もつれがあると引っ掛かる事がなく犬は痛がる事はありませんが、結局毛玉、もつれはいつまでも取れません。無限に梳かしていればいつかは取れるのかもしれませんが…。
引っかからないということは、毛玉をつかまないということ。 商品ページの1行目には「毛玉をほぐすためのツール」と書かれていますが、27件のレビューで毛玉がほぐれたと書いた人はいませんでした。褒めている人が取れたと書いているのは、ほぼ全員が抜けかけたアンダーコートです。
シェルティ飼ってます。アンダーコートの死毛がめちゃくちゃとれます。悩んでる人は買うべき。
Mの★2も、同じことを逆側から言っています。
ぜーんぜん取れない生え変わりの時期じゃないからかな?
抜けかけた下毛があれば、ごっそり取れる。抜ける毛がなければ、何も取れない。毛玉を割るならカッター、絡まりをほどくならスリッカーとコーム。 このレーキはその手前、毛玉の元になる抜け毛を先に取っておく道具だと考えると、27件の評価がきれいにそろいます。
書かれていた犬種は、ダブルコートばかり
27件のうち、犬種や毛質が分かるものを並べました。
- シェルティ(3件)
- ゴールデン・レトリバー(2件。うち1件は2頭)
- グレートピレニーズ、シベリアン・ハスキーの子犬、ボーダーコリー(各1件)
- 「ロングコートの大型犬」「長毛ダブルコート犬」「ダブルコート」(計4件)
- チワワ(1件・「少し大きかったかもしれません」)
トイプードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリアのようなシングルコートの犬種は1件も出てきません。 商品ページの「対応参考犬種」もボーダーコリーとバーニーズ・マウンテン・ドッグの2つで、「長毛犬種におすすめ!スリッカーが入らない子や、スリッカー前の汚れ落としに」と添えてあります。
シングルコートの犬に使ってよいか、使わないでほしいか。そのどちらも、商品ページには書かれていません。ただ、このレーキの仕事が「抜けかけた下毛を取ること」である以上、下毛のほとんどない犬では取るものがない、というのが27件から読める答えです。
換毛期にブラシを入れるたびに綿のような毛が出てきて、スリッカーを嫌がられて途中でやめてしまうなら、先にこのレーキで下毛を抜いておくと、スリッカーの時間がぐっと短くなります。ピンが回るので、ブラッシング嫌いの子でも押さえつけずに済むはずです。
MとLの違いは幅だけ。ピンの長さはどちらも29mm
サイズはMとLの2つです。商品画像の寸法表から並べました。
| サイズ | 価格(税込) | ブラシ面の幅 | 全長 | 重さ | 型番 |
|---|---|---|---|---|---|
| M | 2,420円 | 90mm | 166mm | 約85g | TR27SE015 |
| L | 2,860円 | 113mm | 180mm | 約100g | TR27SE016 |
ピンの長さはMもLも29mm、持ち手の長さ(111mm)と幅(27mm)も同じです。違うのはブラシ面の幅とピンの本数で、写真で数えるとMは13本、Lはそれより7本ほど多く並んでいます。
チワワの飼い主さんが「少し大きかった」と書いたのはMです。小型犬ならM、大型犬の背中を広く梳くならL、という分け方で足ります。
Lの★4には「2回とかしたらネジが飛んだ」という初期不良の報告が1件あり、ショップがすぐ交換に応じたと書かれていました。
製品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型番 | TR27SE015(M)/ TR27SE016(L) |
| ピン | ステンレス製・1列・長さ29mm・先端が丸い・回転して伸縮する |
| ブラシ面 | M 幅90mm / L 幅113mm |
| 全長 | M 166mm / L 180mm |
| 持ち手 | 長さ111mm・幅27mm、滑り止めのラバーグリップ |
| 重さ | M 約85g / L 約100g |
| 素材 | ステンレススチール(ピン)、プラスチック・ラバー(ハンドル) |
| 原産国 | 台湾 |
| ブランド | SHOW TECH(ベルギー) |
注意書きは3つで、「強く引っ張って毛玉を無理やり取り除かない」「ピンが濡れたらしっかり乾かす」「幼児の手の届くところに置かない」です。
ユーザーの声
楽天レビューはMが16件・総合4.50、Lが11件・総合4.55。星の内訳です。
| 星 | M | L |
|---|---|---|
| ★5 | 10 | 8 |
| ★4 | 5 | 2 |
| ★3 | 0 | 0 |
| ★2 | 1 | 1 |
| ★1 | 0 | 0 |
★3以下は27件中2件(7.4%)。その2件はどちらも「取れない」で、「痛い」ではありませんでした。
ほかに目立ったのは、スリッカーとの比較です。「スリッカーに比べて抵抗しませんが、毛がごっそりとれました」「スリッカーブラシより良いです」「ピンブラシより本人も嫌がらない」。スリッカーを嫌がる子の飼い主が、代わりの1本として選んでいる様子が見えます。
買う前に知っておきたいこと
- 痛がったという報告は27件で0件。 ピン先が丸く、押すと引っ込みます
- 毛玉はほぐれない。 引っかからない作りなので、毛玉の上を素通りします
- 取れるのは抜けかけたアンダーコート。 換毛期でない時期や下毛の少ない犬では、ほとんど取れません
- シングルコートについての記載はない。 レビューに出てくる犬種もダブルコートだけです
- 小型犬にはMでも大きめ。 チワワで「少し大きかった」という声があります
価格
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| M(税込) | 2,420円 |
| L(税込) | 2,860円 |
| 送料 | 無料 |
同じSHOW TECHのTuffer Than Tangles スリッカーがレギュラーMで3,080円なので、それより少し安い位置です。メーカー自身も、このレーキで先に汚れや抜け毛を落としてからスリッカーで仕上げる2段の使い方を、商品画像で勧めています。
こんな愛犬・飼い主さんにおすすめ
- シェルティ、ゴールデン、ボーダーコリーなどダブルコートの犬
- 換毛期の抜け毛を一気に取りたい方
- スリッカーを嫌がる子に、引っかからないブラシを探している方
- 力加減に自信がない方(ピンが引っ込むので押し付けすぎになりにくい)
こんな方は注意
- トイプードルやマルチーズなどシングルコートの犬(取る下毛がほとんどありません)
- できてしまった毛玉をほぐしたい方(毛玉の上を素通りします)
- 小型犬の飼い主さん(Mでも大きめです)
- 換毛期以外にも毎日使うつもりの方(抜ける毛がない時期は取れません)
我が家の場合、取る下毛がない
パフィはポメプーですが、トリマーさんと獣医さんの判断ではシングルコートです。ポメラニアン側のふわふわの下毛ではなく、トイプードル側の巻き毛が出ている子なんですよね。
アンダーコートを取るためのブラシは、うちではファーミネーターを調べたときに「シングルコートには使用しないで下さい」というメーカーの注意書きを読んで、買わないと決めています。このレーキの商品ページにはそこまでの注意書きはありません。ただ、27件のレビューを読むかぎり、仕事は同じ「抜けかけた下毛を取ること」です。取るものがない犬に、取る道具を当てても仕方がない。 それがうちの結論でした。
パフィの悩みは抜け毛ではなく、脇の下と足先の絡まりです。そこはスリッカーでほぐして、岡野製作所の両目金櫛で通す。毎晩10〜15分のこの組み合わせで、今のところ追い付いています。
同じポメプーでも、ポメラニアン寄りで換毛期に綿のような毛がごっそり抜ける子なら話は別です。ピンが回って引っかからない、というこのレーキの長所は、ブラッシング嫌いの子ほど効いてきます。うちの子はどっちだろう、と迷ったら、次のトリミングで「この子、下毛ありますか」と聞いてみるのがいちばん早いと思います。
