犬が前足をずっと舐めている。しかも指の間を広げて見ても、赤くもなければ腫れてもいない。これって指間炎なんでしょうか、それともただの癖なんでしょうか。
うちのパフィ(ポメプー・メス・2歳・5.12kg)がまさにこれです。ソファの上に寝転がったまま、気づくとずっと前足を舐めていて、ソファがベタベタになっているほど。それでも指の間の皮膚には何の変化もありません。濡れているだけ。
犬の指間炎は、指と指の間の皮膚が炎症を起こして赤くただれる病気です。そして「舐め続けること」は、指間炎の原因にも結果にもなります。 つまりうちのように見た目が何ともない段階でも、放っておくと入り口になりうる、という位置づけになります。
犬の指間炎とは、指と指の間の皮膚が赤くただれて腫れる病気です
犬の指間炎とは、指と指の間の皮膚に炎症が起きた状態のことです。正式には趾間皮膚炎(しかんひふえん)と呼びます。指の間だけでなく、肉球のまわりまで広がることもあります。
進み方には順番があります。最初は指の間がうっすら赤くなる程度。そこから腫れ、毛が抜け、悪化すると潰瘍になったり膿が出たりします。ここまで来ると歩き方に出ます。
| 段階 | 見た目 | 犬の様子 |
|---|---|---|
| 初期 | 指の間がうっすら赤い、毛が唾液で変色する | 気づくと舐めている |
| 中期 | 腫れ、脱毛、じゅくじゅくする | 舐める時間が長くなる、触ると嫌がる |
| 進行 | 潰瘍、膿、しこりのような盛り上がり | 足をかばう、歩きたがらない |
やっかいなのは、初期の見分けがつきにくいところ。赤みが出る前に、舐める行動のほうが先に出ます。 白い毛の子だと、唾液で毛が茶色っぽく変色して初めて気づくこともあります。パフィは足先だけ白い毛なので、この変色は分かりやすいはずなんですが、今のところ出ていません。
前足をずっと舐めているのに見た目は何ともない、これは指間炎ですか

見た目に赤み・腫れ・脱毛がなく、舐める以外の変化もないなら、その時点では指間炎とは言えません。ただし舐め続けること自体が皮膚を蒸らして炎症のきっかけになるため、「今は何ともない」と「これからも大丈夫」は別の話になります。
犬が足を舐める理由は指間炎だけではありません。汚れ、退屈、不安、痛み、アレルギー、どれでも起こります。おがわ動物病院は、過剰に舐める背景として身体的な要因(肥満、アレルギー、痛み、細菌や真菌の感染)と心理的な要因(ストレス、不安、退屈)の両方を挙げています(犬の肢端舐性皮膚炎について)。
動物病院が挙げている受診の目安
獣医師の岩谷直先生が監修しているvetzpetzの解説では、受診を検討する目安として1回10分以上の舐めが1日に数回あること、そして3日以上続くことが挙げられています。あわせて、腫れ・出血・膿・足をかばって歩くといった症状があれば早めの受診がすすめられています(【獣医師監修】犬の指間炎とは?症状・原因・治し方をわかりやすく解説)。
この基準で見ていくと、判断に使うのは3つです。
- 舐めている時間 — 散歩のあとに数十秒で終わるのか、寝転んだまま延々と続くのか
- 左右の差 — 片方の足だけを集中して舐めているなら、そこに何かある可能性が上がります
- 指の間の見た目 — 赤み、腫れ、毛の変色、じゅくじゅく、においの有無
うちのパフィは時間の基準に引っかかっています
正直に書くと、パフィは1番目で完全に引っかかっています。散歩のあとだけとか、寝る前だけといったタイミングの偏りはなく、日中ソファでくつろぎながらずっと舐めている。ソファの生地がベタベタになるくらいの量です。前足が中心で、後ろ足はほとんど舐めません。
一方で2番目と3番目は問題なし。左右どちらの前足も同じように舐めますし、指の間を広げて見ても赤くない。毛が濡れているだけ。年1回の狂犬病ワクチンや定期の診察で動物病院に行っていますが、足について何か言われたことは一度もありません。
だから今のところは「癖」寄りだと思っています。ただ、3つのうち1つでも当てはまるなら診てもらったほうが早いというのが調べていて出た結論なので、うちは次の受診のときに聞くつもりです。舐める量が多い状態が続いているのは事実なので。
指間炎の原因は4つ、飼い主が減らせるのは外傷と蒸れです
指間炎の原因は、大きくアレルギー、細菌や真菌の感染、外傷や異物、心因性やその他の4つに分けられます。このうち飼い主が日常のケアで減らせるのは、外傷と、蒸れによる感染の下地の2つ。アレルギー体質そのものは家では変えられません。
| 原因 | 中身 | 家でできること |
|---|---|---|
| アレルギー | アトピー性皮膚炎、食物アレルギー | フードの見直し(獣医師と相談のうえで) |
| 細菌・真菌の感染 | 膿皮症、マラセチア皮膚炎、皮膚糸状菌症 | 濡れたまま放置しない、指の間を乾かす |
| 外傷・異物 | ガラス片、小石、植物の種、爪の伸びすぎ | 散歩コースの見直し、爪と足裏の毛の管理 |
| 心因性・その他 | ストレス、退屈、肥満、歩き方の癖 | 運動量の確保、体重管理 |
PETOKOTOの解説では原因がさらに細かく8つに分けられていて、免疫性疾患や歩き方まで含まれています(犬の指間炎について獣医師が解説)。原因がひとつに絞れない病気なんですね。だから市販薬でかゆみだけ抑えても、元を断たないかぎり戻ってきます。
なりやすい犬種として名前が挙がるのは、シーズー、パグ、フレンチ・ブルドッグ、トイ・プードル、マルチーズ、ラブラドール・レトリーバーあたり。皮膚がデリケートだったり、指の間の毛が多かったりする犬種です。パフィはポメラニアンとトイプードルのミックスなので、トイ・プードル側の体質が出る可能性は頭に置いています。
食物アレルギーが疑われる場合は、フードの見直しが入り口になります。うちも一度フードを何度か変えた時期があって、そのときは動物病院とトリミングサロンに相談しながら決めました。自己判断で切り替えを繰り返すのは、かえって原因を分かりにくくします。フード選びの考え方は犬の食物アレルギー対応フードの選び方にまとめています。
動物病院では原因を調べてから治療します

指間炎の治療は、原因を特定する検査から始まります。視診と問診のあと、必要に応じて細胞診(患部の細胞を採って顕微鏡で見る検査)や培養検査、アレルギー検査、食物アレルギーが疑われるときは除去食試験に進みます。
治療は原因によって変わりますが、外用薬(塗り薬)、内服薬、薬用シャンプーを使った薬浴の組み合わせが基本です。舐めてしまって薬が効かない場合は、エリザベスカラーや靴下で物理的に届かなくすることもあります。
気をつけたいのは1回の治療費より、通院が続くことのほう。皮膚のトラブルは経過を見ながら薬を調整するので、再診が重なります。うちのパフィが誤飲で受診したときは注射と2〜3日分の薬で済みましたが、あれは単発のトラブル。皮膚は性質が違います。犬の医療費の実際は犬の医療費が実際いくらかかるのかに整理しました。
うちは楽天ペット保険の70%補償に入っていて、通院にも使えます。慢性化しやすい皮膚のトラブルは、まさに保険の出番。ただし加入前からある症状は補償の対象外になるのが一般的なので、気になっているなら入るタイミングは早いほうがいいです。判断材料はペット保険は必要かどうかにまとめてあります。
薬用シャンプーは、動物病院で処方されることもあれば市販で買えるものもあります。クロルヘキシジンを配合したノルバサン シャンプー0.5は動物病院でもよく名前が挙がる定番。ただしどのシャンプーをどの頻度で使うかは原因によって変わるので、獣医師の指示を受けてから使ってください。洗いすぎが逆効果になることもあります。
シャンプーの頻度そのものの考え方は犬のシャンプーの頻度に書いています。
家でできることは、濡らさない、乾かす、毛を短くするの3つ
家庭でできる予防は、この3つに集約されます。指の間は構造上いちばん乾きにくい場所。濡れた状態が続くと雑菌が増えやすくなるので、洗うことより乾かすことのほうが効きます。
足拭きは拭いたあとに乾かすまでがセット
うちはダイソーの「ペットウェット 手足・お尻用」を使っています。散歩から帰ったらこれで前足と後ろ足を拭く。パフィは足先だけ白い毛なので、汚れると目立つんですよね。
ただ、ウェットシートで拭くと当然そこが濡れます。拭いて終わりにすると、濡れたまま放置するのと同じ。乾いたタオルで指の間を押さえるところまでをセットにすると、手間はほとんど変わりません。毎日ゴシゴシこすりすぎるのも皮膚を痛めるので、力は抜いています。
もっと汚れた日に使えるのが足洗いカップ。BACKYARD FAMILYの犬用足洗いカップのようなシリコンブラシ付きの容器は、水を入れて足を突っ込んで回すタイプで、雑巾より短時間で汚れが落ちます。レビューを見ると「入れるのを嫌がる子もいる」という声もあるので、こればかりは相性かなと。
拭き取り用のシートを買い足すなら、ジョイペットのウェットティッシュ手足・お尻用のような大容量パックが単価で有利です。
指の間の毛は短く保つ
足裏の毛が伸びていると、水を含んで乾きにくくなります。うちは月1回のトリミングで足裏の毛もカットしてもらう運用で、家では何もしていません。トリミング代は月8,500〜10,000円で、足裏のバリカンもこの中に含まれています。
短く保つと冬に雪玉が挟まりにくくなり、乾かすのもタオルだけで済みます。うちがドライヤーを使わずにいられるのは、これのおかげ。
自分でバリカンを入れることも一度は考えました。「足の肉球まわりだけでも自分できれいにできたら」と思って、Pateker ペット用バリカンなどを調べたんですが、結局買っていません。動くパフィの指の間に刃を入れて皮膚を切ってしまうのが怖かったからです。指間炎のことを調べたあとだと、この判断は間違っていなかったと思っています。傷が入れば、それ自体が指間炎の原因になりますから。
自宅でどこまでやってどこからサロンに任せるかは自宅トリミングでどこまでやるかに書きました。
足を触られるのに慣らしておく
地味に効くのがこれ。足先を触らせてくれない子だと、異変に気づくのも遅れますし、薬を塗るのも一苦労です。うちは爪切りのときに足先を触るのを毎回やっていて、その延長で指の間もチェックできています。足を触られるのを嫌がる場合の慣らし方は犬が爪切りを嫌がるときの対処が参考になるはずです。
冬の雪と融雪剤は、指の間にいちばん残ります

北陸で犬を飼っていて、指の間がいちばん過酷になるのは冬です。雪が積もる日に散歩へ出ると、帰ってきたパフィの肉球の間に雪玉が固まって挟まっている。タオルで拭くだけでは取り切れず、お湯をかけて溶かすこともあります。
雪玉そのものより気にしているのが融雪剤です。うちの地域では冬になると塩化カルシウム系の融雪剤がまかれます。これが肉球や指の間についた状態で犬が舐めると、体調を崩す可能性がある。完全に避けて歩くのは無理なので、帰宅後に必ず洗い流すか拭き取ることで対応しています。
冬の足元でやっていることを順番に書くと、こうなります。
- 帰宅したらすぐ玄関で足を確認する(雪玉が挟まっていないか)
- 挟まっていればぬるま湯で溶かす。無理に引っ張らない
- 融雪剤がまかれていた日は、拭くだけで済ませず洗い流す
- 乾いたタオルで指の間を1本ずつ押さえて水気を取る
- 毛が長い子はドライヤーの冷風か弱い温風で乾かす
うちは足裏の毛を短くしてもらっているので、4番のタオルドライで完結しています。乾かす工程を飛ばさないことだけは決めています。
夏は夏で別の問題があって、日中のアスファルトは肉球をやけどさせます。うちは日が完全に落ちてから散歩に出る時間帯シフトで対応中。詳しくは小型犬の暑さ対策にまとめました。
靴は予防になりますが、サイズを外すと1日で終わります
指間炎の予防法として「犬用の靴を履かせる」はよく出てきます。地面から指を離せば、汚れも異物も融雪剤も届かない。理屈としては正しい。
ただ、実際にやると簡単ではありません。うちはKizuna Shopのドッグシューズ(通気性メッシュ・滑り止めゴム底・マジックテープ固定)を買いました。足を実測せず、体重表記だけを見てLサイズを選んだのが失敗です。届いた靴をパフィの足の横に並べると明らかに小さく、履かせてみると爪が当たっている感触がありました。
反応も強烈でした。室内で履かせた瞬間に寝転んで、グルグル唸りながら靴を口でくわえて脱ごうとする。噛む癖がついても困るのですぐ脱がせて、まだ一度も外に出られていません。
分かったことを書いておきます。
- 犬用シューズはマジックテープで留めるだけなので、装着そのものは簡単。手こずるのはサイズ選びと本人の慣れ
- ストラップで長さ調整ができない構造なので、サイズを外すと使えない。体重表記は当てにならない
- 買う前に足の型を取って実寸を出す。紙の上に足を置いて輪郭をなぞれば測れます
- 慣らし方はハーネスや歯磨きと同じで、室内で数十秒から始めるのが正解だった
うちは足の型を取り直して、サイズを選び直すつもりです。靴は「買えば予防できる道具」ではなく、慣らす時間を含めた練習が要る道具でした。
- 価格
- 2,880円(税込)
- 単価
- 2,880円(税込・1足)
- メーカー
- Kizuna Shop
- タイプ
- お出かけ・散歩グッズ
指間炎でやらないほうがいいこと

良かれと思ってやったことが、かえって長引かせることがあります。
人間用の薬を自己判断で塗る。 オロナインやリンデロンを使う人がいますが、ぽちたま薬局の解説では、あくまで動物用の薬をもらうまでの緊急用という位置づけになっています。原因が真菌なのに細菌用の薬を塗れば意味がありませんし、そもそも犬は塗ったそばから舐めます。
指の間に肉球クリームを塗り込む。 肉球のガサガサ対策としてクリームは有効ですが、指の間は乾かしたい場所です。炎症が起きているところにクリームで蓋をすると、蒸れを助けることになりかねません。塗るなら肉球の表面まで。
指の間の毛を無理に抜く、ハサミで切る。 毛は短いほうがいいのは確かですが、抜くのは刺激になりますし、ハサミは指の間の皮膚を切りやすい。ここはサロンか動物病院にバリカンでやってもらうのが安全です。うちが自宅バリカンを買わなかった理由もここにあります。
舐めているのを叱る。 心因性の場合、叱ることでストレスが増えて舐めが強まる可能性があります。舐めさせたくないならエリザベスカラーや靴下で物理的に届かなくするほうが確実。ソフトタイプのエリザベスカラーなら、硬いプラスチック製より生活の邪魔になりにくいです。
皮膚は健康だからと油断する。 これは自分に言っています。パフィは大きな皮膚トラブルを起こしたことがなく、それで足の舐めを癖だと片付けてきました。でも舐める量は明らかに多い。健康な子ほど、変化の起点を見落としやすいのかもしれません。
うちはまだ「舐めているだけ」の段階です
パフィは指の間に赤みも腫れもなく、動物病院で指摘を受けたこともなく、歩き方もふつう。指間炎ではない、と今は思っています。
ただし舐める時間は長い。様子見でいい根拠は「見た目が何ともない」の1点だけなので、次の診察で足のことを聞いてきます。皮膚のトラブルは、赤くなってからより赤くなる前のほうが話が早いはずなので。
犬用シューズは仕切り直し中。足の型を取ってサイズを選び直したら、また結果を書き足します。






