この宿について
滋賀県大津市、琵琶湖のほとりに広がるおごと温泉の一軒宿が「暖灯館 きくのや」です。全16室のうち8室が犬と泊まれる専用客室になっていて、部屋には愛犬用の小さな温泉風呂まで用意されています。おごと温泉は今から1200年ほど前に伝教大師が開いたと伝わる歴史ある湯で、やわらかな肌ざわりの単純温泉。その源泉を、愛犬と一緒に部屋で楽しめる旅館なんですよね。
犬連れの旅行でいちばん気をつかうのが「食事のあいだ、うちの子はどうしよう」という時間だと思います。きくのやの場合、犬と泊まれる客室のプランは夕食も朝食もすべて部屋食(1室4名まで)。愛犬をとなりに座らせたまま、近江牛や地元野菜を使った会席を味わえます。館内の料亭や大浴場へ犬を連れて行くことはできませんが、そもそも食事のために部屋を出る必要がない造りになっているわけです。予約サイトの「食事場所へのペット同伴はお断り」という一文だけを見ると心配になりますが、実際は愛犬と同じテーブルで食事ができる宿だと考えて大丈夫です。
愛犬用の温泉風呂がある8室の専用客室
犬と泊まれる客室は2タイプに分かれています。ひとつが特別室「水の音」の5室で、「ことね」64平米、「はのん」71平米、「みなも」67平米、「かざね」69平米、「このん」73平米という広さ。天然温泉の露天風呂または半露天風呂に加えて、愛犬専用のミニサイズの温泉風呂が付いていて、湯口から天然温泉がかけ流しになっています。犬が動きまわっても安心なインテリアでまとめられていて、庭園を望むテラス付きの部屋もあります。
もうひとつがワンちゃん温泉風呂付客室の3室で、びわ湖を望むツインベッドの「嘉祥」48平米や、プロジェクターを備えた「こぎく」など。こちらも客室の温泉風呂で愛犬と過ごせます。どちらのタイプも、ケージ・トイレシーツ・粘着テープ・消臭スプレー・足ふきタオル・食器が部屋に備え付け。持って行くのは首輪とリード、いつものフードとおやつ、使い慣れた毛布やおもちゃくらいで足ります。チェックインするとオリジナルのバンダナをプレゼントしてもらえるのも、記念になってうれしいところです。
泊まる前に知っておきたい受け入れの条件
対象は室内犬で8kgまで、1室につき2匹まで。この体重の線引きははっきりしているので、中型犬以上と暮らしている方は残念ながら対象外になります。裏を返せば、館内で顔を合わせるのは同じくらいの小さな子ばかりということでもあり、他の犬が苦手な子でも身構えずにすむ環境です。トイレと無駄吠えのしつけができていること、発情中でないことも条件になっています。
犬の宿泊料は公式サイトとYahoo!トラベルでは無料と案内されていて、実際に「愛犬の宿泊料も無料でありがたい」という宿泊者の声もあります。ただ、楽天トラベルのペット宿泊情報には2,200円という記載が残っているため、予約するプランでどう扱われるかは申し込み前に確認しておくと安心です。
館内での移動は、ケージに入れるか抱っこが必要です。犬を連れて行けるのはペット専用客室とロビーまでで、通常の客室や大浴場、宴会場、料亭へは入れません。大浴場でゆっくりしたいときは部屋でお留守番してもらう形になり、そのあいだはケージに入れておくのがルールになっています。とはいえ客室に温泉風呂が付いているので、お留守番が苦手な子なら部屋のお風呂だけで済ませるという選択肢もあります。
料理長がつくる愛犬用のごはんとミニドッグラン
きくのやで犬連れらしいと感じるのが、愛犬用の食事メニューです。宿泊した犬には料理長手作りの鶏肉のミートローフが1回無料でサービスされます。鶏ミンチ、豆腐、さつまいも、かぼちゃ、人参などを使い、野菜の甘さだけで味付けをせずにやわらかく蒸したもの。追加のメニューはチェックイン時に注文でき、近江牛のステーキ(50g)2,000円、近江牛の薄切り(50g)2,000円、白身魚1,300円、豚肉の野菜巻き1,100円、ささみとキャベツ1,100円、ミートローフ1,100円といったラインナップです(いずれも税込)。飼い主が近江牛の会席を食べている横で、愛犬も近江牛というのは、なかなかできない体験だと思います。
館内には「ミニドックラン・ドックテラス」も誕生しました。利用時間は8:00からチェックアウトまでと、16:00〜21:00。足洗い場もあるので、遊んだあとの汚れた足もそのまま部屋に上がらずにすみます。宿から徒歩1分ほどのところには琵琶湖畔の雄琴臨水公園があり、朝の散歩にちょうどいい距離。車で10分ほどの場所には犬と入れるカフェ「パティスリー&デリカフェ ルメルシエ」もあります。看板犬の豆柴・まめ太郎が出迎えてくれるのも、犬好きにはたまらないポイントです。
口コミからわかる宿の雰囲気
3つの予約サイトの評価を並べると、楽天トラベルが4.67(2,851件)、じゃらんnetが4.8(1,008件)、Yahoo!トラベルが4.70(81件)と、どこも高い水準でそろっています。項目別で目立つのは接客で、楽天・Yahoo!ともに4.78。部屋ごとに仲居さんが付いてくれて、到着時に愛犬の名前を呼んでくれた、愛犬にもおもちゃのプレゼントがあった、といった声が並びます。食事の評価も高く、量と味の両方に満足したという感想が多い印象です。
いっぽうで、楽天のロケーション評価は4.32とやや控えめ。「琵琶湖が全面に見えるわけではなかった」という声もあり、湖の眺めを最優先にするなら部屋タイプをよく見て選ぶのがよさそうです。建物は昔ながらの旅館らしい佇まいで、外観だけを見ると古さを感じたという方もいますが、掃除が行き届いていて清潔だったという感想がそれを上回っています。滋賀県内でほかの宿も見比べたい方は、滋賀の犬と泊まれる宿からも探せます。
アクセス
JR湖西線のおごと温泉駅から車で5分、電話連絡をすれば無料で迎えに来てもらえます。京都駅からは約20分と近く、車の場合は名神高速の京都東ICから湖西道路を経由して約20分、558号線沿いです。駐車場は23台分あり無料。チェックインは15:30〜21:00、チェックアウトは10:00です。コンビニも徒歩3分ほどのところにあります。
犬用の温泉風呂に部屋食、料理長手作りの犬ごはんまでそろっていて、それでいて小型犬限定という割り切りがはっきりしている一軒。うちのパフィなら、朝は雄琴臨水公園を散歩して、部屋に戻って犬用の湯で足を温めてから、まめ太郎に挨拶して帰る。そんな一泊にしたいなと思います。