商品について

犬と暮らしていていちばん自覚しにくいのが、家のにおいです。うちは出かけて帰ってきた瞬間だけ「あ、犬のにおいするな」と気づくのですが、10分もすると鼻が慣れてわからなくなります。来客のときにハッとするのは、たいていこの慣れのせいなんですよね。

除菌水ジーアは、その空間側にアプローチする商品です。次亜塩素酸水を超音波加湿器に入れて部屋にミストとして広げる使い方が基本で、スプレーボトルに移してドアノブや玄関に吹くこともできます。買い切りの商品ではなく、4週間ごとに新しい液が届く定期宅配という形をとっています。

そして結論から書くと、この商品でいちばん先に読むべきなのは成分でも除菌力でもなく、契約期間の条件です。うちが導入をためらっているのもここでした。

料金は月4,290円、ただし2年・26回という区切りがある

公式に出ている料金はこうなっています。

項目内容
商品代金4,290円(税込)/1セット
セット内容9.6L(3.2L×3袋)
出荷サイクル4週間ごと
初回登録事務手数料4,400円(税込)※キャンペーン期間中は無料
短期解約手数料10,000円(税抜)
停止手数料1,000円(税抜)
返送手数料2,000円(税抜)
北海道への配送1セットあたり別途500円(税抜)

公式サイトの料金プランには「ご契約から2年かつ出荷回数26回満了前に途中解約した場合、解約違約金が発生します」と書かれています。特定商取引法に基づく表記のほうを見ると、その違約金にあたる短期解約手数料が10,000円(税抜)=11,000円と明記されていました。

つまり4,290円×26回=111,540円を払い切るまでが、途中でやめると手数料がかかる区間です。月額の数字だけ見て「加湿器ももらえるしお得だな」と申し込むと、ここでつまずきます。逆に言えば、家族に犬アレルギー気味の人がいるとか、猫も飼っていて多頭でにおいが出やすいとか、2年続ける理由がはっきりしている家なら悩まなくていい条件でもあります。

なお2ヶ月までは無料でスキップができて、それを超えて連続でスキップする場合は月1,000円(税抜)かかるとFAQに書かれていました。旅行や帰省で使わない月がある家庭は、この停止手数料の存在も頭に入れておきたいところ。

濃度60ppmで届くので、計量も希釈もいらない

次亜塩素酸水は、濃い液を買って自分で薄めて使うタイプがけっこうあります。あれ、正直めんどうです。残留塩素を測って希釈量を計算して、という工程が毎回入るので。

ジーアは塩素濃度60ppmに調整された状態で届くので、袋から出してそのまま加湿器に入れられます。液性は微酸性。公式は、漂白剤で知られる次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸イオン ClO⁻)ではなく次亜塩素酸分子(HClO)が残る領域に調整していると説明しています。

保存については、消費期限が製造後およそ6ヶ月以内(開封後は3ヶ月以内)。紫外線に当たると濃度が落ちるため、紫外線を99.9%カットする専用パウチで届き、冷暗所保管が推奨されています。4週ごとに新しいものが届く仕組みそのものが、濃度が落ちた液を使い続けないための設計という説明でした。ここは納得感があります。

使える加湿器は超音波式だけ

ここは買う前に絶対に確認したいポイントです。公式FAQに、水温が40度を超えると効果が薄れるためスチーム式・ハイブリッド式・気化式の加湿器では使えないと明記されています。使えるのは超音波式のみ。

しかもこの3方式は、家電量販店で普通に売れ筋に並んでいるタイプです。家にある加湿器がそのまま流用できると思って申し込むと、たぶん出鼻をくじかれます。

その点は運営側も織り込み済みで、契約者全員に超音波加湿器がプレゼントされるキャンペーンをやっています。選べるのは2タイプ。

タイプ仕様
Aタイプ(モダンモデル)幅・奥行16cm×高さ23.5cm/タンク2.3L/消費電力25W/加湿量 最大約250ml/h/自動停止機能あり
Bタイプ(スプレーモデル)幅8cm×奥行5.5cm×高さ24.8cm/容量280ml/ホワイト/PE

うちの場合、ここでもうひとつ条件がつきます。パフィはケーブルをかじる子なので、コードが伸びる家電はどこに置くかを先に決めないといけません。Aタイプは高さ23.5cmでタンクが2.3L、水を入れると重さも出るので、床置きではなく棚の上が現実的だと思います。加湿器そのものより電源コードの取り回しのほうが悩みどころ、というのは犬を飼っている人ならわかってもらえるはず。

「ウイルスに効く」とはどこにも書かれていない

これは商品の弱点ではなく、正確に押さえておきたい話です。

公式FAQに、次亜塩素酸水は医薬部外品ではなく健康雑貨として販売しているため、新型コロナウイルスの予防に使えるとは明記できないとはっきり書かれています。売り手側が自分でその線を引いているのは、むしろ好感が持てました。

公式が根拠として挙げているのは次の3つです。

  • 第三者検査機関で、15秒以内に複数のウイルスを除菌する効果が確認されている
  • 各種の急性毒性試験を第三者機関で実施している
  • 空間噴霧について、急性毒性吸引試験と労働安全衛生法に基づく作業環境測定を実施している

いずれも試験名と実施の事実が示されているだけで、試験機関名や具体的な数値までは公開されていません。「安全性の確認をしている」ことは書かれているが、「◯◯に効く」は書かれていない、という読み方が正確だと思います。

犬まわりで言えば、うちがジーアに期待するのは殺菌そのものよりも、帰宅した瞬間のあのにおいが少しでも軽くなるかです。公式のお客様の声にも、室内犬を飼っていて玄関で感じるペット臭が気になり、加湿器に入れて噴霧したという京都府の方の投稿が載っていました。ペットショップでも使われているという紹介もあります。

運営はウォーターサーバーの会社

意外だったのが出自です。ジーアを運営しているのは株式会社オーケンウォーター(兵庫県丹波市)で、本業は天然水の製造・宅配。もともとウォーターサーバー内部の洗浄に使っていた次亜塩素酸水を、空間除菌用に改良して製品化したものだと会社概要に書かれています。

項目内容
商号株式会社オーケンウォーター 除菌水ジーア事業部
設立平成2年8月2日
所在地兵庫県丹波市春日町黒井391
事業内容天然水の製造・宅配、除菌水ジーア
所属団体一般社団法人 次亜塩素酸水溶液普及促進会議

飲み水を扱う設備を毎日洗ってきた会社が、その洗浄液を家庭向けに出している。という筋道は、コロナ禍でにわかに立ち上がった次亜塩素酸水ブランドとは出発点が違います。定期宅配のノウハウがあるのも、ウォーターサーバー屋さんだからでしょうね。

配送地域は北海道・本州・四国・九州で、沖縄と離島は対象外です。

申し込む前に確認したいこと

  • 家の加湿器が超音波式かどうか(スチーム式・気化式・ハイブリッド式は使えない)
  • 2年・26回を続けるつもりがあるか。途中でやめると11,000円かかる
  • 加湿器を置ける場所があるか。犬がコードに届かない高さに置けるか
  • 沖縄・離島に住んでいないか。北海道は1セットごとに550円が上乗せされる
  • 使わない月にスキップする可能性があるか(2ヶ月まで無料、それ以降は月1,100円)

こんな飼い主さんに向いています

  • 帰宅した瞬間の家のにおいが気になっている人
  • スプレーだと吹いた場所しかケアできないのが物足りない人
  • アルコールで手が荒れるので別の手段を探している人
  • 犬のほかに赤ちゃんや小さい子どもがいて、おもちゃや床にも使いたい家庭
  • サロン・整体院・飲食店など、来客のある場所で犬と過ごしている人

逆に向かないのは、まず数ヶ月試してから決めたい人です。1セット買って様子を見る、という買い方ができる商品ではありません。26回という区切りを見て「それは長い」と感じたなら、その感覚のほうが正しいと思います。市販の詰め替え式の次亜塩素酸水や消臭スプレーで、加湿器に入れる運用そのものが自分の家で続くかどうかを先に確かめてからでも遅くないはず。