商品について

t/d は、噛んだときに粒そのものが歯をこするように作られたドライフードです。ヒルズが「ファイバーマトリックステクノロジー」と呼んでいる繊維の層状構造で、粒が歯に当たったときに崩れずに包み込む、という設計になっています。

うちのパフィ(ポメプー・2歳・5.12kg)は毎日歯を磨いていて、動物病院でもトリミングサロンでも口のことを指摘されたことがありません。ただ、歯ブラシを口に入れさせてくれない子の家では、食事側でどこまでやれるかが切実な問題になります。その答えとして、いちばん証拠が揃っているのがこの製品です。

そのうえで、これは特別療法食です。誰でも普通に買っていいフードではありません。そこから書きます。

獣医師の指導のもとに与えるフードです

ヒルズの公式ページに、こう書かれています。

獣医師の指導のもとに給与してください

特別療法食は、健康な犬の毎日のごはんとして作られたものではありません。通販で買えてしまうので見落としがちですが、まずかかりつけの動物病院で、うちの子に合うかを確認するのが順番です。ヒルズの公式ショップも、購入にクリニックコードが要る作りになっています。

長期の食事として推奨されている製品ではあるので、獣医さんの了解が取れれば続けられます。ただ、口の状態も体の状態も子によって違うので、そこは飛ばさないでください。

VOHCで歯垢と歯石の両方が認められています

米国獣医口腔衛生協議会(VOHC)は、口腔ケア製品の試験結果を審査して、条件を満たしたものに認定を出している団体です。認定には「歯垢(Plaque)」と「歯石(Tartar)」の2種類のクレームがあって、片方だけの製品も多くあります。

ヒルズは公式ページで、この製品をこう説明しています。

Veterinary Oral Health Council(VOHC)によって、小型犬の歯垢と歯石の両方の蓄積を減少させることが科学的に証明されている唯一の療法食

VOHCが2025年11月に出した犬用の認定製品一覧を見ると、フード(デンタルダイエット)の区分に載っているのは12製品。そのうち歯垢と歯石の両方のクレームを持つのは6製品で、t/dはその最初の1998年組です。1998年に認定を取って、いまも一覧に残っています。

日本語の公式ページでVOHCを明記しているフードは、探した範囲ではこれだけでした。認証を判断材料にしたい人にとっては、いちばん確かめやすい製品です。

粗繊維は乾物で10.5%。一般的なドライの2倍以上あります

このフードの正体は繊維です。公式の乾物量分析値を見ると、粗繊維が10.5%あります。

成分(乾物量分析値)
たんぱく質17.6%
脂質16.6%
炭水化物(NFE)51.4%
粗繊維10.5%
カルシウム0.58%
リン0.44%
ナトリウム0.21%
代謝エネルギー350kcal/100g

同じデンタル系のドライと並べると、この数字の異様さがわかります。ロイヤルカナンのミニ デンタル ケアは粗繊維3.1%以下、カナガンデンタルは4.7%以下です。表示の基準(乾物と製品そのまま)が違うので単純比較はできませんが、水分を戻して換算しても9%台で、それでも他の2つの2倍以上あります。

繊維が多いということは、そのぶん粒がスカスカで、噛んだときに歯に沿って潰れるということ。歯石をこすり落とす仕事を、粒の物理的な構造でやろうとしているフードなんですね。

原材料の1番目はトウモロコシです

項目内容
名称ペットフード
原産国オランダ
内容量1kg
主原料トウモロコシ、米、トリ肉(チキン、ターキー)、セルロース、動物性油脂
そのほかエンドウマメ、全卵、チキンエキス、植物性油脂、乳酸
酸化防止剤ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物

グレインフリーのフードに慣れていると驚くと思いますが、穀物が主原料です。セルロース(食物繊維)が5番目に来ているのも、繊維で構造を作る設計だからでしょう。たんぱく質17.6%は、カナガンデンタルの30%以上と比べるとかなり低い。肉のフードを探している人が期待する内容とは、方向がまったく違います。

そのぶん、ミネラルのバランスを調整して尿石に配慮した「S+OXSHIELD」の設計が入っていたり、抗酸化成分が入っていたりします。2025年5月ごろに一部原材料の調整があったので、前に食べていた子は原材料表を見直しておくといいと思います。

1日の給与量と、1袋がもつ日数

体重1日の給与量
1kg15g
2kg54g
3kg73g
4kg91g
5kg107g

5kgの犬で1日107g。1kgの袋なので、9日ちょっとで1袋が終わります。3,190円を9.3日で割ると、1日あたり約343円。

正直に書くと、これはかなりの金額です。パフィと同じ5kg級の子に毎日これを与えると、月に1万円ほど。うちが毎日やっている歯磨き(指サックブラシ+歯磨きシート)は、1日あたり数円で済んでいます。磨ける子なら磨いたほうが安いし、確実というのが素直な感想です。

粒は小粒と大粒の2種類があります。小粒でも一般的な小型犬用フードより大きいので、そこは次で書きます。

60件のレビューで、いちばん多い指摘は「小粒なのに大きい」です

楽天24 どうぶつ医療館に付いているレビューは60件、平均4.4。★5が35件、★4が18件、★3が4件、★2が2件、★1が1件です。★3以下は7件しかないのですが、その7件と★4の多くが同じことを書いています。粒が大きい。

小型犬用を探していて、小粒と記入されていたので購入しました。一粒1.8cm位だったので口に入らず砕いてやることに。粒の寸法を表示して欲しかったです。(★2)

開封して粒のでかさに驚きました 超小型犬には顎が外れるんじゃ!?ぐらいデカいです(★2)

小粒とありますが相当大粒でした。ちょっとびっくり。大きいまま丸のみは怖いので与える時は常に見張っています(★4)

実寸を書いている人がいました。約2cm×2cm、9粒で約20g。 「小粒」は同じt/dの大粒と比べての話で、小型犬用フードの小粒ではありません。ここを勘違いして買うと、届いてから割ることになります。

★1は60件中1件だけ。これも粒の大きさの話でした。

チワワさん達用おやつにと購入….のどに詰まらせ大変な思いをしたので今後の購入はないと思います。(★1)

粒が大きいのはわざとで、噛ませないと意味がないフードです。ただ丸呑みする子だと設計が働きません。小型犬に与えるなら、最初の数日は本当に噛んでいるかを見てあげてください。4等分にして与えている人も複数いました。割ると粒の構造は壊れるので、そこは悩ましいところです。

一方で★5には、長く続けている家が並びます。

我が家の4k強のチワワです。現在17歳と5ヶ月です。メインのドライタイプのフードを食べ、食後にこのt/dを2粒食べてます。歯石除去については薦められたことはありません。お口が臭くない!と獣医師からいわれてます。(★5)

もう3年以上あげてます。12歳のワンコですが、歯石は少ないと病院の先生にいわれたので効果があると思います。ウチは普通のカリカリにこれを何粒か混ぜてあげてます。(★4)

使い方はほぼ共通で、主食にせず食後に1〜2粒。この飲み込み方なら1kgの袋はかなりもちます。効果については「歯石予防の効果はわかりません」と正直に書いている人も多く、歯磨きと併用している家がほとんどでした。動物病院で勧められて探しに来た、という入り方も相変わらず多いです。

こんな家に向いています

  • 動物病院で口の中を指摘され、食事でも支えるように言われている
  • 歯ブラシをどうしても受け付けず、噛むケアなら成立しそう
  • 認証や試験の裏づけがあるものを選びたい
  • カリカリをしっかり噛んで食べるタイプ

反対に、丸呑みする子、グレインフリーや高たんぱくのフードを探している子、まだ口のトラブルが出ていなくて予算を抑えたい家には向きません。その場合は、いまのフードを変えずに毎日の歯磨きを組み立てるか、食事にかける粉を足すほうが現実的だと思います。