商品について
うちのパフィ(ポメプー・2歳・5.12kg)は、毎日のように鹿のツノを噛んでいます。市川ファクトリーの北海道産で、歯磨きのあとのご褒美として定番になっているもの。噛みすぎた翌日にうんちに白い粒が混じって焦ったこともあるくらい、日常の一部です。
だから鹿肉を主原料にしたドッグフードというのは、前から気になっていました。うちの子は鹿の匂いに反応する子だし、鹿のツノは競争率の高いおやつ。同じ素材のフードならどうなんだろう、と。
そんなわけで調べたのが、F//H FOOD(エフエイチフード)の「TARO-no GOHAN」です。岐阜県産などの国産天然鹿肉を主原料にした、小型犬用のグレインフリードライフード。作っているのは岐阜県羽島市の株式会社コラントで、タレントのヒロミさんが商品名を付けたブランド。ラインナップはTARO(鹿肉)・HANA(鶏むね肉)・PUPPY(子犬用)の3つで、TAROはそのなかで唯一の鹿肉フードかつ唯一の全年齢対応です。
そして価格は、560gで税込5,720円。1kgあたり10,214円。うちが調べてきたフードのなかでも、はっきり最上位の価格帯です。この数字に見合う理由があるのか、そこを見ていきます。
動物性の主原料が鹿肉だけ
TAROの原材料表はこうなっています。
鹿肉(岐阜県産)、さつま芋、フィッシュカル、キャベツ、グリシン、アマニ油、鰹節、アサリパウダー、クランベリー、オリゴ糖入り乳酸菌
10種類。HANA-no GOHANと並べると、先頭が鶏肉から鹿肉に変わっただけで、あとは同じです。同じレシピの土台で主原料だけを入れ替えている構成なんですね。
ここで飼い主として一番大きい意味があるのは、鶏肉が入っていないことだと思います。市販のドッグフードは鶏肉ベースがとても多いので、鶏が合わない子・鶏を避けたい子はフード選びで毎回つまずくんですよね。TAROはその選択肢になります。公式サイトも「とり肉が苦手なワンちゃんにもおススメ」と書いています。
ただし、ここは正確に書いておきたいところ。鰹節・アサリパウダー・フィッシュカルという魚や貝由来の素材は入っています。 鶏肉不使用ではあるけれど、動物性の素材が鹿だけというわけではない。魚を避けたい子には向きません。「鹿肉だけの単一タンパク源フード」を探している場合は、この点で条件から外れます。
原材料が10種類しかないので、こういう確認が数秒で終わります。パフィはフードが合わないと涙やけの出方が変わる子なので、素材を絞ったフードは「合う・合わない」を見極めるのに向いているなと思っています。
岐阜県産の天然鹿肉という産地表示
公式サイトは、鹿肉について岐阜県産などの国産天然鹿肉と書いています。トップページには岐阜県や山梨県産という記載もありました。原材料表の表記は「鹿肉(岐阜県産)」です。
鹿肉フードは輸入原料のものも多いので、都道府県まで書いてあるのはめずらしいなと思いました。作っているコラントは岐阜県羽島市の会社なので、地元の鹿肉を使っているという構図ですね。学校給食向けの食品卸なども手がけている会社だそうで、衛生管理の土台がある会社が作っているという安心感はあります。
栄養面については、公式サイトが「鹿肉は他のお肉に比べて栄養価が高く、鉄分やDHAが豊富」と説明しています。これはメーカーの説明なので、そのまま当サイトの主張として書くことはしません。ただ鹿肉が赤身で脂肪の少ない肉であることは一般的に知られていて、成分値もそれを裏づけています。
そしてもうひとつ、この産地にこだわった結果として起きていることがあります。公式ショップではTAROの定期購入ができません。 商品ページに理由が明記されていて、「原材料(国産鹿肉)の仕入が不安定なため」とのこと。天然の鹿肉なので、供給量を約束できないんですね。HANAとPUPPYには3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月の定期コースがあるのに、TAROだけない。これは買う前に知っておきたい情報だと思います。
粗タンパク40%以上・330kcalという成分値
数字を並べます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 粗タンパク質 | 40%以上 |
| 粗脂肪 | 3%以上 |
| 粗繊維 | 3%以下 |
| 粗灰分 | 5%以下 |
| 水分 | 10%以下 |
| エネルギー | 100gあたり約330kcal |
一般的な成犬用ドライフードは粗タンパク25〜30%前後・粗脂肪10〜15%前後が多いので、タンパクが高くて脂肪がかなり低い設計です。同じブランドのHANA(45%以上・2%以上)と比べると、TAROはタンパクが少し低くて脂肪が少し高い。とはいえ3%以上ですから、ドライフードとしては十分に低脂質です。
公式サイトが「甘味があって食べやすい」と書いているのは、さつま芋の甘みのことだと思います。穀物の代わりに国産のさつま芋を使っているグレインフリー設計で、保存料・酸化防止剤は不使用、オイルコーティングもなし。表面に香りづけをしていないぶん、素材そのものの香りで食べさせる作りです。
うちのパフィは偏食で、脂肪を抑えたフードだと食いつきが落ちた経験があります(ドギーマンの体重管理用・粗脂肪2.0%より、通常タイプ・粗脂肪4.0%のほうが明らかに食べました)。だからTAROについても、低脂質は食いつきのハードルになりうると身構えています。ただ、鹿のツノにあれだけ食いつく子なので、鹿の香りが効くかもしれないという期待も少しあるんですよね。ここは実際に出してみないとわかりません。
なお、キャベツを粉末にして練り込む工程で粒が緑っぽくなる場合があると公式に説明があります。無着色なので天然素材のばらつきがそのまま出る、と。届いた粒の色が想像と違っても品質の問題ではない、という前置きです。
商品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | TARO-no GOHAN 国産鹿肉使用 グレインフリー 560g(小型犬用) |
| 型番 | FH-DV001D-56 |
| ブランド | F//H FOOD for Dogs |
| メーカー | 株式会社コラント(岐阜県羽島市) |
| 種類 | ドライフード(グレインフリー) |
| 内容量 | 560g |
| 主原料 | 鹿肉(岐阜県産などの国産天然鹿肉) |
| 原材料 | 鹿肉、さつま芋、フィッシュカル、キャベツ、グリシン、アマニ油、鰹節、アサリパウダー、クランベリー、オリゴ糖入り乳酸菌 |
| 粗タンパク質 | 40%以上 |
| 粗脂肪 | 3%以上 |
| エネルギー | 100gあたり約330kcal |
| 対象 | 小型犬・全年齢 |
| 原産国 | 日本 |
| 栄養基準 | 総合栄養食の表示なし(AAFCO基準に準じた配合との説明) |
| 保存料・酸化防止剤 | 不使用 |
| オイルコーティング | なし |
| 着色 | 無着色 |
| 価格 | 560g 税込5,720円 |
価格・定期便・送料
確認時点(2026年7月)の価格は560g 税込5,720円。1kgあたり10,214円で、ブランド3種のなかで最も高いフードです。鹿肉が鶏肉より高いぶんが、そのまま価格差(HANAとの差は1,100円)に出ています。
定期便の扱いが場所によって違うので、表にします。
| 買う場所 | 通常価格 | 定期便 | 定期便の初回 |
|---|---|---|---|
| 公式ショップ | 5,720円 | 取扱いなし | — |
| 楽天市場「美濃清流屋」 | 5,720円 | 5,148円 | 4,576円 |
| Amazon | 取扱いあり | — | — |
公式ショップは鹿肉の仕入が不安定なため定期購入を受け付けていません。一方、楽天市場の同社ショップ「美濃清流屋」には、確認時点で定期便の価格設定がありました(5,148円・初回4,576円)。同じメーカーなのに定期便の扱いが違うので、続けて買うつもりなら楽天側も見ておく価値があります。ただし仕入の事情は変わりうるので、在庫と定期便の可否は注文時に確認してください。
送料は公式ショップだと佐川急便で本州・四国・九州が880円、北海道・沖縄が1,430円。TAROは定期便がないため、公式で買う場合は毎回送料がかかる前提になります。1袋5,720円+送料880円で6,600円。ここも判断材料としては大きいと思います。
給与量と1ヶ月のコスト
公式が出している1日あたりの目安です。
| 体重 | 1日の給与量 |
|---|---|
| 2kg | 63g |
| 5kg | 107g |
| 7kg | 136g |
パフィは5.12kgなので目安は1日107g。560gの袋は5日ちょっとで空になります。
| 買い方 | 1日あたり | 1ヶ月(30日) |
|---|---|---|
| 通常 5,720円 | 約1,093円 | 約32,800円 |
| 楽天の定期便 5,148円 | 約984円 | 約29,500円 |
5kgの子だと月3万円前後。体重2kgの子なら1日約643円・月約19,300円まで下がりますが、それでもかなりの金額です。うちのフード代は月1万円前後なので、3倍になります。
正直なところ、これをメインフードとして毎月買い続けるのは、うちの家計では無理があります。ただ鶏肉が合わない子にとっては代替候補が限られるので、その状況にある飼い主さんには価格以上の意味があるフードだと思います。あるいは、ふだんのフードにトッピングとして少量足す使い方なら、コストを抑えながら鹿肉を取り入れられます。
給与量は去勢・避妊の有無や運動量で変わるので、実際の量はかかりつけの獣医師に相談して決めてください。
ユーザーの声
TAROについては、第三者のレビューを見つけられませんでした。
楽天市場「美濃清流屋」のTARO-no GOHAN 560gのページには、確認時点でレビューの投稿がありません。同ブランドで唯一レビューが付いていたのはHANA-no GOHAN 560gの1件(★5.0)だけでした。Amazonにも出品はありますが、まとまった件数の口コミは確認できていません。
少量生産のブランドで、販路が公式ショップ・楽天・Amazonに分散しているため、口コミが1箇所に溜まっていないのだと思います。「レビュー件数と星の数を見て決める」という選び方は、このフードでは使えません。
レビューがないフードをどう見るか
代わりの判断材料になるのが、メーカーが公開している具体的な数字です。産地(岐阜県産)、粗タンパク40%以上、粗脂肪3%以上、原材料10種類、保存料・酸化防止剤なし、オイルコーティングなし。ここまで開示しているフードは多くありません。
さらにTAROの場合、「鹿肉の仕入が不安定だから定期購入を受け付けない」と自分から書いているのが個人的には印象的でした。売上を取りにいくなら黙って定期を売ることもできたはずで、それをしていない。数字と同じくらい、こういう書き方に判断材料としての価値があるなと思います。
そのうえで食いつきについては、240gのお試しパック(税込2,530円)で確かめるのが現実的です。5,720円の袋を買って食べてくれなかったときの痛みが大きすぎるので。
期待できそうなポイント
- 鶏肉不使用。鶏が合わない子・鶏を避けたい子の選択肢になる
- 主原料の産地が岐阜県産と明示されている(鹿肉フードでは珍しい)
- 原材料10種類で、合わなかったときに原因を絞り込みやすい
- ブランド3種で唯一の全年齢対応。子犬からシニア期まで同じフードで通せる
- 保存料・酸化防止剤・オイルコーティング・着色をいずれも使っていない
- 粗タンパク40%以上・粗脂肪3%以上・330kcal/100gという高タンパク低脂質の設計
気になる点・買う前に知っておきたいこと
- 1kgあたり10,214円。5kgの子なら月3万円前後で、ブランド3種のなかで最も高い
- 公式ショップでは定期購入ができない(鹿肉の仕入が不安定なため)。公式で買うと毎回送料880円がかかる
- 天然鹿肉が原料のため、安定して買い続けられる保証がない。切り替えたあとに買えなくなるリスクを見ておきたい
- 鰹節・アサリパウダー・フィッシュカルという魚や貝由来の素材が入っている。鹿肉だけの単一タンパク源フードではない
- 総合栄養食の表示がない。公式は「AAFCO基準に準じた配合だが、特化商品では一部栄養が不足する可能性がある」と説明し、獣医師への相談をすすめている
- 第三者レビューが確認できない。口コミを判断材料にしたい人には情報が足りない
- 保存料を使っていないため、開封後は早めに食べ切る前提
- 低脂質のため、偏食の子には食いつきのハードルになりうる
- 小型犬用のみ。中型・大型犬用は開発中
こんな愛犬・飼い主さんにおすすめ
- 鶏肉が合わない子・鶏を避けたい子の飼い主さん(ブランド3種で唯一の鶏肉不使用)
- 鹿肉のフードを試したいけれど、産地がはっきりしたものを選びたい方
- 子犬からシニア期まで同じフードで通したい方(全年齢対応)
- 原材料の種類が少ないフードで、合う・合わないを見極めたい方
- ふだんのフードにトッピングとして鹿肉を足したい方
- フード代に月3万円前後をかけられる方
こんな方は注意
- フード代を抑えたい方。1kgあたり10,214円はプレミアム帯でも最上位
- 定期便で安定して買い続けたい方(公式は定期購入なし・天然素材のため供給が読めない)
- 魚や貝由来の素材を避けたい子(鰹節・アサリパウダー・フィッシュカル使用)
- これ1本で毎日の食事を完結させたい方(総合栄養食の表示がないため、獣医師に相談してから)
- 偏食で食べムラのある子(低脂質のため香りが淡白。お試しパックで先に確認を)
- 中型犬・大型犬を飼っている方(小型犬用のみ)
- すでに動物病院で療法食を指定されている子(切り替え前に必ず獣医師へ)
我が家の場合 — 鹿のツノを噛む子に、鹿肉のフードはどうか
最後に、うちの検討メモです。
パフィと鹿の相性は、たぶん悪くありません。毎日噛んでいる鹿のツノは、歯磨きのあとのご褒美として2年近く続いている定番。噛みすぎて白い粒がうんちに混じった日は量を控えましたが、そのくらい熱心に噛む子です。鹿の香りに反応する子だという実感はあるんですよね。
だから偏食のパフィにドライを試すなら、鶏より鹿のほうが可能性があるかもしれない。低脂質フードで食いつきが落ちた過去はありますが、素材が変われば結果も変わるかもしれない。そう考えると、TAROは「一度は出してみたいフード」の枠に入ります。
一方で、うちがメインフードとして採用する見込みはかなり低いです。理由は月3万円前後というコストと、定期購入ができない=安定して買えないという点。うちはフード切り替えを1ヶ月以上かけてゆっくりやる方針なので、時間をかけて切り替えたあとに「仕入が不安定で買えません」となるのが一番困るんですよね。プッチーヌが終売になったときに代替探しで苦労したので、そこは慎重になります。
なので、うちの現実的な使い道はトッピングかなと思っています。240gのお試しパック(税込2,530円)を買って、いまの半生フードに少量足してみる。それで食いつきが変わるなら、ご褒美枠として少量を回すのはありです。メインを丸ごと置き換えるのではなく、鹿肉を足すという発想。
鹿のツノにあれだけ夢中になる子が、鹿肉のフードにどう反応するのか。これは単純に見てみたいです。

