商品について

イノシシが入ったドッグフードを、僕はこれまで見たことがありませんでした。

エッセンシャルドッグフード キングダムリビング 缶詰は、ポーク生肉39%とイノシシ生肉26%を合わせたパテです。動物性の原材料はこの2つだけで65%。公式の説明では「パテ・ド・カンパーニュを彷彿とさせる、素朴ながら奥深い味わい」と書かれています。

この缶詰には、ほかにない性質があります。鶏も牛も魚も入っていません。

エッセンシャルの商品は、ドライフードが8種類、缶詰が5種類あります。ドライフードは全種類にチキンかターキーか魚のどれかが入っていて、缶詰4種類もターキー、ダック、チキン、サーモン、タラのどれかが使われています。ポークとイノシシだけで組まれているのは、この1缶だけです。

しかもドライフードには「キングダムリビング」という味そのものが存在しません。缶詰だけの構成です。

日本ではレティシアンが正規輸入代理店として扱っています。製造国はチェコ。400gで税込1,650円です。

ポーク39%とイノシシ26%。3番目はエンドウ豆

原材料配合比率
ポーク生肉39%
イノシシ生肉26%
肉 合計65%

原材料の3番目に来るのはエンドウ豆です。他の缶詰がサツマイモ(ノーティカル)、ニンジン(ハイランド)、リンゴ(スーペリア、エステート)を使っているのに対して、キングダムはいきなりエンドウ豆。野菜やフルーツの使い方がいちばん少ない構成です。

マリーゴールドも入っていません。他の4種類にはすべて入っています。

ポークはジューシーな脂身ときめ細かい赤身のバランスが特徴の食材で、タンパク質に加えてビタミンB群やミネラルを含みます。イノシシは鹿肉と並ぶジビエで、公式の説明では「口の中で甘くとろけるさっぱりとした脂身と、濃厚で食べ応えのあるしっかりとした赤身」と表現されています。

ベリー類はクランベリー、ブルーベリー、ゴジベリー、ブラックベリーの4種類。海藻、緑茶、ショウガ、スピルリナも入ります。

鶏も牛も魚も避けたいとき、選べるものが少ない

ドッグフード選びで行き詰まるのは、避けたい食材が増えてきたときです。

鶏が合わないと魚に行く。魚も合わないと牛やラムに行く。それでも合わないと、次に探すのが豚や馬、鹿やイノシシといった食材になります。ここまで来ると、選べる商品がぐっと減ります。

キングダムリビングは、その位置に置ける1缶です。原材料一覧に鶏、牛、魚の名前が一切ありません。

ただし大事な前提があります。どの食材が合わないのかを確かめる作業は、動物病院で相談しながら進めるものです。フードを自己判断で入れ替えていくと、何が原因かわからなくなるうえに栄養が偏ることがあります。うちも下痢が続いて受診したことがあり、原因は「ストレスかもしれない」ということで薬と整腸用のフードをもらってすぐに落ち着きました。犬の体調は食べもの以外の理由でも動きます。

そのうえで「先生に相談したら豚や鹿なら試してみようと言われた」という段階に来たとき、この缶詰は候補になります。順番としては、まず受診です。

栄養成分・カロリー

成分含有量
タンパク質7%以上
脂質5%以上
粗繊維2.55%以下
灰分3.5%以下
水分84.24%以下
エネルギー109kcal/100g

タンパク質7%以上は缶詰5種類で2番目の数字(1位はスーペリアリビングの7.5%以上)。カロリー109kcal/100gは低いほうから2番目です。

水分が84%あるので、この数字はドライフードとそのまま比べられません。水分を除いて計算すると44%以上に相当します。

原材料一覧に米・小麦・トウモロコシは出てきません。炭水化物源はエンドウ豆です。

1日あたりの給与量の目安

成犬〜(缶詰のみで使う場合)

体重1日の給与量
1〜5kg187〜295g
6〜10kg353〜495g
11〜15kg519〜670g
16〜20kg685〜835g
21〜25kg851〜985g
26〜30kg1,017〜1,130g
31〜35kg1,183〜1,316g

缶詰だけで食事を組む場合の量です。5kg前後の子で1日約295gなので、400gの缶が1.4日分。月に22缶ほど必要で、単品価格なら月3万6,000円、6缶セット換算でも月2万9,000円台になります。

主食にするには大きな金額なので、ドライフードと組み合わせるのが現実的です。うちはおやつやトッピングを1日の総カロリーの1割程度を上限の目安にしています。パフィ(5.12kg)なら約28kcalで、この缶詰だと約26g。400g缶で15日分、単品価格なら1日約110円、6缶セット換算なら1日約89円です。足したぶんはドライを減らす引き算で回します。

開封後は冷蔵で3日以内

項目内容
未開封の保存高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所
開封後冷蔵保存し、3日以内に使い切る

1日26gのトッピング使いなら15日分ですが、開封後3日という制約があります。小分けにして冷凍する運用が前提になります。

6缶セットのほうが明確に安い

購入パターン税抜税込(概算)1缶あたり税込
単品 1缶1,500円1,650円1,650円
単品 1缶(定期10%OFF)1,350円約1,485円約1,485円
6缶セット7,280円8,008円約1,335円
6缶セット(定期15%OFF)6,188円約6,807円約1,135円

単品を6缶買うと税込9,900円ですが、6缶セットなら8,008円。1缶あたりおよそ19%安くなります。6缶セットは税抜7,280円なので、定期コースの15%OFFの枠に1セットから入ります。

定期コースには回数の縛りがありません。解約は次回お届け日の7日前までに連絡すればOKです。合わなかったらすぐ止められるので、初めての食材を試す場面には向いた仕組みだと思います。

原材料一覧

ポーク生肉39%、イノシシ生肉26%、エンドウ豆、クランベリー、ブルーベリー、ゴジベリー、ブラックベリー、リグノセルロース、海藻、緑茶、ショウガ、スピルリナ、ビタミン類(E、チアミン、ビオチン、A、D3)、ミネラル類(カルシウム、亜鉛、鉄、マンガン、ヨウ素)

原産国:チェコ

こんな愛犬・飼い主さんにおすすめ

  • 鶏も牛も魚も避けたい子。エッセンシャルの全13商品でこの構成はこれだけです
  • 豚肉やジビエを試してみたい方
  • 獣医師と相談して、食材を絞り込む段階に来ている方
  • 鹿のツノなどジビエ系のおやつを気に入っている子
  • ドライフードに香りと水分を足したい方
  • 6缶セットでまとめて買える方

こんな方は注意

  • 食材を絞り込む作業は動物病院で相談しながら進めるものです。自己判断でフードを入れ替え続けると原因がわからなくなります
  • 豚肉が合わない子には使えません。ポーク生肉39%が入っています
  • 缶詰だけを主食にすると5kgの子でも月3万円近くになります。トッピング使いが現実的です
  • 開封後は冷蔵で3日以内。少量ずつ使うなら小分け冷凍が前提になります
  • 野菜・フルーツの使い方は缶詰5種類でいちばん少ない構成です
  • ドライフードに「キングダムリビング」はありません。同じ味でドライと揃えることはできません

我が家の場合 — 鹿のツノを噛む子に、イノシシの缶詰

パフィは毎日、鹿のツノを噛んでいます。市川ファクトリーの北海道産で、歯磨きのあとに渡すのが日課です。ペットショップや100均で買えるありきたりのケア用品ばかり使っているうちの中で、鹿のツノは数少ない「ちょっといいもの」枠。

そのせいか、ジビエという言葉には親近感があります。犬にとって鹿やイノシシは、人間が思うほど珍しい食材ではないのかもしれません。

この缶詰を知って考えたのは、パフィがもし将来「鶏も魚も合わない」という状態になったとき、こういう選択肢があると知っているかどうかで動き方が変わるということです。

うちは涙やけの常連で、フードがうまく合わない時期は目元のうるうるが目立ちます。獣医師からは鼻涙管が特に狭いタイプではないと言われているので、原因を探すなら食べものと腸のほう。今は毎日の目元ケアで気にならないレベルを保てていますが、この先ずっとこのままとは限りません。

そのときに「豚とイノシシだけの缶詰がある」と思い出せるかどうか。フードの知識って、困ってから調べるものだけど、困る前に知っておくと落ち着いて動けるんですよね。この1缶は、そういう意味で覚えておきたい商品です。